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Transcription:

解析力学 B 第 11 回 : 正準変換 神戸大 : 陰山聡 ホームページ ( 第 6 回から今回までの講義ノート ) http://tinyurl.com/kage2010 2011.01.27

正準変換

バネ問題 ( あえて下手に座標をとった ) ハミルトニアンを考える q 正準方程式は H = p2 2m + k 2 (q l 0) 2 q = H p = p m ṗ = H q = k(q l 0 ) もっと簡単な式がでてくるようにできないか?

変数変換 q k = q k (Q, P, t) p k = p k (Q, P, t) で 正準方程式の形が変わらないものを探す つまり変換後も 何か関数 K(Q, P, t) が存在し Q k = K P k P k = K Q k となるもの これを正準変換とよぶ

変分原理にもどると 分かりやすい δ tb t a U(q, p)dt = 0 U(q, p) U (Q, P ) = U dw dt とすると tb tb tb δ U dw (Q, P )dt = δ U(q, p)dt δ t a t a t a dt dw /dt の分だけ自由度がある = 0 U = p k q k H(q, p, t) = P k Q k K(Q, P, t) + dw dt

q と Q の関数 W (q, Q, t) を考える これを dw dt = W q k q k + W Q k Q k + W t p k q k H(q, p, t) = P k Q k K(Q, P, t) + dw dt に代入

p k q k H(q, p, t) = P k Q k K(Q, P, t) + W q k q k + W Q k Q k + W t ( ) = W q k q k + P k + W Q k Q k K + W t 両辺の q k と Q k に比例する項を比較して p k = W q k P k = W Q k K = H + W t を得る W を母関数と呼ぶ

母関数 W (q, Q) が分かっているときの正準変換 のアルゴリズム を Q k について解く : (q, p) (Q, P ) p k = W q k Q k = Q k (q, p) に代入 を得る P k = W Q k (q, Q) P k = P k (q, p)

ハミルトニアン 母関数 H = p2 2m + k 2 (q l 0) 2 W (q, Q) = mk 2 (q l 0) 2 cos Q sin Q q

これを解いて p = W q = mk (q l 0 ) cos Q sin Q P = W Q = + mk 2 (q l 0) 2 1 sin 2 Q q = l 0 + 2P mk sin Q p = (q, p) (Q, P ) の正準変換 2P mk cos Q

ハミルトニアンの変換 : H = p2 2m + k 2 (q l 0) 2 = 1 2m 2P mk cos 2 Q + k 2 2P mk sin 2 Q = k m P K

ハミルトニアン 正準運動方程式 K(Q, P ) = k m P Q = K P = P = K Q = 0 k m 簡単に解ける! 正準変換をうまく使うと 運動方程式が簡単に解ける

W (q, Q) = qq としてみよう つまり p = W q = Q P = W Q = q (q, p) ( P, Q) W は 一般化座標と一般化運動量を入れ替える母関数 正準変数ではどれが 座標 でどれが 運動量 か というのは意味がない ごちゃごちゃに混ぜた変数変換が可能

変数変換 q k = q k (Q, P, t) p k = p k (Q, P, t) は 正準変換かどうか? 母関数があるなら YES 母関数が見つからないときには? ポアッソン括弧という便 利なものがある

ポアッソン括弧

位相空間中のスカラー場 (q i とp i の関数 ) を二つ考える A = A(q, p) B = B(q, p) AとBのポアッソン括弧を 次の式で定義する {A, B} q,p = A q k B p k A p k B q k 添字の q,p は 正準変数 (q, p) がわかるように書いているが 実は不要である なぜなら

位相空間中の運動に沿って ある関数 f(q, p) の時間微分を計算する df dt = f t + f dq k q k dt + f dp k p k dt = f t + f H f H q k p k p k q k = f t + {f, H} q,p 左辺は別の正準変数 (Q, P ) をとっても計算しても同じはず つまり df dt = f t + {f, H} Q,P {f, H} q,p = {f, H} Q,P

ハミルトニアン H に対し 以下が示された {f, H} q,p = {f, H} Q,P もっと一般に 位相空間中の二つの関数 f, g に対し {f, g} q,p = {f, g} Q,P を 証明することができる つまり ポアッソン括弧は 正準変数に依らない ( 添字不要 )

ポアッソン括弧を使うと 正準運動方程式は q, p について対象な形に書ける dq i dt = {q i, H} dp i dt = {p i, H}

ニュートンの運動方程式 F = ma ラグランジュの運動方程式 ( ) d L L = 0 dt q i q i ハミルトンの正準運動方程式 dq i dt = H p i, dp i dt = H q i ポアッソン括弧による正準運動方程式 dq i dt = {q i, H}, dp i dt = {p i, H}

正準変数 (q, p) に対して {q j, q k } = 0 {p j, p k } = 0 {q j, p k } = {p j, q k } = δ jk

{B, A} = {A, B} {AB, C} = A {B, C} + {A, C} B { } { d da {A, B} = dt dt, B + A, db } dt {A, {B, C}} + {B, {C, A}} + {C, {A, B}} = 0 最後の式は Jacobi の恒等式と呼ばれる

ある量 A(q, p) の時間変化を求める da dt = A q j dq j dt + A p j p j dt = A q j H p j A p j H q j = {A, H}

座標変換 (q, p) (Q, P ) を考える ( 正準変換とは限らない ) da A H = {A, H} = A H dt q j p j p j q j = A ( H Q i + H ) P i q j Q i p j P i p j A ( H Q i + H ) P i p j Q i q j P i q j ( A Q i = A ) Q i H q j p j p j q j Q i ( A P i + A ) P i H q j p j p j q j P i = {A, Q i } H + {A, P i } H Q i P i

再掲 : 座標変換 (q, p) (Q, P ) で da dt = {A, Q j} H Q j + {A, P j } H P j いま A = Q i と A = P i とすると dq i dt = {Q i, Q j } H Q j + {Q i, P j } H P j dp i dt = {P i, Q j } H Q j + {P i, P j } H P j 変換後の座標 (Q, P ) が 基本ポアッソン括弧関係式 {Q i, Q j } = 0, {P i, P j } = 0, {Q i, P j } = {P j, Q i } = δ ij を満たしていると

変換後の (Q, P ) は 正準運動方程式 dq i dt = {Q i, H}, dp i dt = {P i, H} を満たす つまり (Q, P ) は正準変数 (q, p) (Q, P ) は 正準変換になっている 変数変換 (q, p) (Q, P ) が 正準変換かどうかは (Q, P ) が基本ポアッソン括弧関係式を満たすかどうか調べればよい

実は運動そのものも正準変換である 位相空間中の t = t a における位置 ( 状態 ) (q(t a ), p(t a )) (q, p) t = t b における位置 ((t b ), p(t b )) (Q, P ) とすると (q, p) (Q, P ) は正準変換である その母関数は? S(q, Q) = tb t a 実際の運動に沿って計算した作用 (p j q j H(q, p)) dt

シンプレクティック積分法

q=0 q m = k = 1 とすると ハミルトニアンは H = p2 2 + q2 2 dq dt = H p = p dp dt = H q = q

時間の離散化と微分方程式の差分化 q t = p p t = q

n 番目の時間ステップを上付き添字で表す (1 次前進オイラー法 ) = p n これを変形して q n t = qn+1 q n t p n t = pn+1 p n t q n+1 = q n + t p n p n+1 = p n t q n = q n (q n, p n ) (q n+1, p n+1 ) という変数変換 これは正準変換か? (Remember: 運動は正準変換 )

q n+1 = q n + t p n p n+1 = p n t q n (q n, p n ) (q n+1, p n+1 ) が正準変換かどうかはポアッソン括弧をとってみればわかる { q n+1, p n+1} = qn+1 p n+1 q n p n qn+1 p n+1 p n q n = 1 1 ( t) ( t) = 1 1 + t 2 基本ポアッソン括弧関係式を満たさない 単純な1 次前進オイラー法による数値積分法による運動方程式の数値解は正準変換になっていない 数値誤差のためにエネルギー保存則が破れてしまう

さっきの式を少しだけ変えて次の形にする q n t = qn+1 q n t = p n p n t = pn+1 p n t = q n+1 q n+1 = q n + t p n p n+1 = p n t q n+1 = (1 t 2 )p n tq n 今度は (q n, p n ) (q n+1, p n+1 ) が正準変換になっている { q n+1, p n+1} = 1 (1 t 2) ( t) ( t) = 1 基本ポアッソン括弧関係式を満たす シンプレクティック積分法 エネルギー保存性がよい

ハミルトンの正準方程式 ボアッソン括弧 シンプレクティック積分法

変分原理様々な運動法則の表現 ( 微分方程式 ) 数値計算と可視化解析力学の威力

定期試験は2/10 (2/3は講義なし ) 成績の基準 : 小テスト p a 参加姿勢 p b レポート p c 定期試験 p d if p d > (80 90) / 100 成績 = 優 else 成績 = f(w a p a + w b p b + w c p c + w d p d ) end if ここで w d > w a + w b + w c