[Scientific statement] 1) 股関節骨折患者に対す

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1 第 7 章予防法 ( 薬物療法 ) 薬物による VTE 予防には 致命的な PTE の原因となる DVT の発生そのものを予防する一次予防と すでに発生した DVT/PTE に対して再発を予防する二次予防がある そして 用いられる薬剤には 歴史的にその役目を終えたものから 現在開発中のものまで多くのものがある この章では その予防効果がエビデンスレベルの高い研究として報告された薬剤を取り上げ記載した したがって 海外で一般的に使用されている薬剤が 我が国では保険適用となっていない薬剤も含めて掲載してある デキストラン 静脈内投与で循環血液量を増加させる輸液製剤であり 手術時などの出血によるショックに対する治療で使用されることがある 他の薬理作用として 赤血球表面の負電荷を増強することで赤血球凝集解離作用を示すことがあり 血栓症の予防や治療に適用された しかしながら架橋構造を有さないため 生体内で容易に分解されることから 血栓症予防作用は尐ないと考えられている また 1 日 10ml/kg 以下の静脈内投与が原則であり 心負荷がかかる恐れがあることが問題点であり 現在では使用されることはほとんどない 1. 骨折患者に対するデキストランの DVT 予防効果は? [Scientific statement] 大腿骨近位部骨折に対するデキストランの使用は コントロール群と比較して DVT の発生率に有意な差はなかった (EV level II) 大腿骨近位部骨折 87 例をデキストラン群 45 例 : デキストラン 40 を術前毎日および手術中 250ml 静脈内投与 術後 2 日目 4 日目に 500ml を投与 コントロール群 42 例 : 乳酸リンゲルを同様に静脈内投与に分け DVT の発生率を比較 DVT の診断は 両下肢の静脈造影を入院時 術後 5,6 または 7 日目に施行 結果 デキストラン投与による出血 うっ血性心不全等の問題は起きなかった 術後の DVT 発生率はデキストラン群 33.3% コントロール群 33.3% で有意な差はなかった (EV level II) DVT00059:Hefley W, Nelson C, Puskarich C: Thromboembolic disease in patients with fractures of the hip: Preoperative prevalence and effect of dextran prophylaxis. Southern Medical Journal ,2s49-2s50 2. デキストランと低分子へパリンの予防効果比較 1

2 [Scientific statement] 1) 股関節骨折患者に対する予防法として 低分子ヘパリン (Fragmin) とデキストランを比較しても DVT の発生率に有意な差はない (EV level Ib) 2) 股関節骨折患者に対する予防法として 低分子へパリン (Sandoparin) はデキストランに比較して有意に DVT 発生率を減尐させる (EV level Ib) 1) 220 例の股関節骨折を 低分子ヘパリン (Fragmin) 投与群 (5000IU 皮下注 術後 10 日間 ) デキストラン投与群(Dextran 70 入院日 500ml 術前 1 日 1000ml 術後 1,3,5 日に 1 日 500ml) の2 群に分け DVT 発生率を比較した RCT VTE の診断は 術後 10~ 14 日に両下肢静脈造影と lung perfusion/ventilation scan を行い 静脈造影は 178 例に施行できた 結果 )Fragmin 群 97 例と Dextran 群 81 例では DVT の発生率はそれぞれ 34% と 27%(p=0.33) 近位 DVT は 6.2% と 2.5%(p=0.29) であった lung perfusion/ventilation scan を施行できた Fragmin 群 103 例と Dextran 群 86 例では PTE の発生率は 8.7% と 3.5%(p=0.23) で有意差はなかった 出血量と輸血量はデキストランが有意に多く 出血合併症は Fragmin で 9 例とデキストランで 17 例 (p=0.09) であった 遅発性 VTE( 術後 5-7 週 ) が Fragmin の 1 例に発症した (EV level Ib) 2) 股関節骨折患者を低分子ヘパリン群 103 例 デキストラン群 95 例に分け DVT 発生率を比較検討した RCT 2 群間に年齢 性別 骨折型等に有意差はなかった 低分子ヘパリン ( sandoparin) は 3000 anti-xa 単位を術前から 1 日 1 回皮下注し 10 日間継続 Dextran 70 は麻酔導入時より 500ml 静注内投与し 術後 8 時間と術後 24 時間にも再投与 すべての患者は術直後より機械的予防法を施行した DVT の評価は 125Iodine labelled fibrinogen uptake test(fut) でスクリーニングを行い 膝窩部や下腿部が陽性であった場合は静脈造影で診断した 大腿骨近位や創部に陽性の場合は超音波検査を行い 疑わしい場合のみ静脈造影を施行した 結果 膝窩や下腿部に FUT 陽性例は低分子ヘパリン群 34/103 例 (33.0%) デキストラン群 46/95 例 (48.4%) で静脈造影では各々 16/103 例 (15.5%) と 31/95 例 (32.6%) で有意差を認めた (P<0.005) DVT は患側に多く 34/47 例 (72.3%) 発生した PE は低分子ヘパリン群で 2 例に発生し 1 例は致死的であった デキストラン群は 2 例発生し 2 例とも致死的であった 両群ともに大きな出血合併症はなかった (EV level Ib) 1) DVT00454:Is low molecular weight heparin (LMWH) an effective antithrombotic drug following hip fracture surgery? Results of a randomized study comparing LMWH and dextran 70. Thrombosis & Haemostasis 73(6): 977-Abstract No 299, ) DVT00205: Oertli D, Hess P, Durig M, Laffer U, Fridrich R, Jaeger K, Kaufmann R, Harder F Prevention of deep vein thrombosis in patients with hip fractures: low molecular weight heparin versus dextran. World J. Surg. 16: ,

3 アスピリン 抗血小板薬であるアスピリンは安価でモニタリングが不要であること 経口薬であることから 術後 VTE の一次予防への適用が検討されてきた 欧米ではある一定の効果があるとする報告もみられるが 1 日量が 600mgと日本人との体重差を考慮しても多い用量での研究もみられること 日本人での比較試験がないことから その効果については明らかではない [Scottish Intercollegiate Guideline Network (SIGN) Prophylaxis of Venous Thromboenbolism; A national clinical guideline] におけるアスピリンの位置づけは grade A とし 禁忌でない限り股関節骨折患者全てに投与すべきとしている 但し このガイドラインは 2002 年以降改訂されていない 3. 骨折患者に対するアスピリンの VTE 予防効果は? [ 解説 ] アスピリンの VTE 予防効果については議論があり 現在でも推奨しているガイドラインがあるため やや詳しく記載する 大腿骨近位部骨折患者に対するアスピリンの VTE 予防効果を検討した唯一の無作為比較試験 (RCT) の大規模研究である Pulmonary Embolism Prevention (PEP) trial の結果では アスピリンは症候性 VTE を有意に減尐させている しかし この研究ではアスピリン服用者の 18% が未分画ヘパリン 26% が低分子ヘパリンを併用し また DVT PTE ともに症候性もしくは疑いの強いもののみを画像診断していることから研究方法の欠陥が指摘され 多くのガイドラインではアスピリン単独での予防は推奨されてはいない また PEP trial ではヘパリンの併用を除いたアスピリン単独使用群を抽出し サブグループ間での比較解析が行われアスピリン群に有意に VTE が減尐している しかし PEP trial の研究当初のアウトカムは血管イベント (PTE 心筋梗塞 脳血管障害 ) による死亡の予防効果を検討することになっているため 試験前に計画されていないサブグループ解析は RCT 研究として認められず エビデンスに乏しい研究となっている ( 表 1 参照 ) [Scientific statement] 1) 大腿骨近位部骨折において 低用量アスピリン (1 日 160mg) は症候性 DVT 症候性 PTE 症候性 VTE を減尐させる (EV level IB) 2) 大腿骨近位部骨折および THA 患者 ( 大腿骨近位部骨折が約 60% を占める ) において アスピリン 600mg/ 日 (1 日 3 回食後 )+ 未分画へパリン投与群とプラセボ群 ( 未分画へパリン投与 ) を比較するも 症候性 DVT 近位 DVT 症候性 PTE 致死的 PTE の発生率には有意な差はなかった しかし 出血合併症 ( ヘモグロビン低下と輸血量 ) はアスピリン 600mg/ 日 (1 日 3 回食後 )+ 未分画へパリン投与群に有意に多かった (EV level IB) 3

4 ) 股関節骨折患者に 1 日 160mg の腸溶コーティングアスピリン (6,679 例 ) またはプラセボ (6,677 例 ) を 35 日間投与し VTE 予防効果を調査した RCT 研究 主要評価項目は死亡 DVT( 静脈造影 または duplex 超音波法で確認されたもののみ ) PTE( 肺動脈造影 肺血流換気シンチで high-probability または intermittent-probability でかつ静脈造影で DVT があるもの または剖検で証明されたもの ) 心筋梗塞 脳卒中および出血症状 DVT や PTE を発見するための特別なスクリーニングテストは行わず 臨床症状のある事象が記録 判定された 症候性の DVT は静脈造影または超音波検査で証明されたもののみをカウントし PTE は肺血管造影での陽性例 high-probability の肺換気血流スキャンや静脈造影にて DVT が証明された intermediate probability のスキャンまたは検死で肺塞栓症が証明されたものをカウントした 結果 : アスピリンは DVT (95%CI 3 to 48; p=0.03) (aspirin 69/6679, placebo 97/6677 ) 近位 DVT(aspirin 26/6679, placebo 43/6677) PTE (95%CI 18 to 60; p=0.002) (aspirin 46/6679, placebo 81/6677 ) そして致死的 PTE (95%CI 27 to 76; p=0.002) (aspirin 18/6679, placebo 43/6677 ) 全 VTE を減尐させた (95%CI 19 to 50;p=0.0003) (aspirin 105/6679, placebo 165/6677) アスピリン群において出血合併症( ヘモグロビン低下と輸血量 ) が有意に多かったが 死亡率についての有意差はなかった 症候性 DVT と PTE の発生率のサブグループ解析 ( 本来は前向きランダム比較試験において試験前に計画されていないサブグループ解析は認められていないことに注意 ) 未分画ヘパリン併用群 (aspirin 19/1207, placebo 36/1225 ) において アスピリン群はコントロール群に比較して有意に減尐している 低分子ヘパリン併用群 (aspirin 24/1761, placebo 30/1663 ) において アスピリン群とコントロール群間に有意な減尐はみられない ヘパリン併用なし (aspirin 62/3711, placebo 99/3789 ) において アスピリン群はコントロール群に比較して有意に減尐している 2) 受傷後 24 時間以内に入院し 入院後 24 時間以内に手術が施行された大腿骨近位部骨折 265 例と同時期に入院手術した THA 194 例の合計 459 例を 1) アスピリン 600mg/ 日 (1 日 3 回食後 ) 投与群 2)Trifusarin( 抗血小板薬 ) 900mg(1 日 3 回食後 ) 投与群 3) プラセボ群の3 群に分け DVT の予防効果について検討した二重盲検ランダム化試験 ただし 全ての群の症例に対して 術前 2 時間に未分画ヘパリン 7500 単位皮下注し 術後 12 時間毎に 10 日間投与した DVT の診断は Real-time B-mode US を術後 8 日目に全ての症例に施行 US で陰性で DVT の臨床徴候があるときは 両側の静脈造影を施行 結果 : アスピリン群 Triflusal 群 プラセボ群において DVT 発生率はそれぞれ 18%( 近位 DVT 14 例 遠位 DVT 11 例 ) 12%( 近位 DVT 13 例 遠位 DVT 7 例 ) 17% ( 近位 DVT 13 例 遠位 DVT 14 例 ) であり PTE の発生率はそれぞれ 5% 2% 5% と有意な差はみられなかった 輸血量はアスピリン群が有意に多く Triflusal 群で有意に嘔吐 嘔気が多かった 4

5 )DVT00974:PTE prevention Trial Collaborative Group Prevention of pulmonary embolism and deep vein thrombosis with low dose aspirin: Pulmonary Embolism Prevention (PEP) trial. PTE prevention Trial Collaborative GroupLancet : (EV level IB) 2)DVT00451:Monreal M, Lafoz E, Roca J, Granero X, Soler J, Salazar X, Olazabal A, Bergqvist D.: Platelet count, antiplatelet therapy and pulmonary embolism--a prospective study in patients with hip surgery. Thromb Haemost Mar;73(3): (EV level IB) 4. 低分子へパリンとアスピリンの VTE 予防効果比較 [ 解説 ] 低分子ヘパリンとアスピリンの VTE 予防効果についての比較検討であるが 低分子ヘパリノイドである Orgaran で検討されている ( ヘパリン類の種類と特徴については表 1 参照のこと ) [Scientific statement] 1) 股関節骨折患者において 低分子ヘパリノイド (Orgaran:750 Xa 単位 /2 回 / 日 ) 皮下注はアスピリン 100mg 2 回 / 日経口投与に比較して有意に VTE 発生率を減尐させるが 出血合併症は同程度であった (EV level IB) 1) 股関節骨折手術における低分子ヘパリノイド (Orgaran) とアスピリンの相対的効率と安全性を比較した RCT 251 例の患者を無作為に割り付け Orgaran 群 125 例は 750 Xa 単位を 12 時間毎に皮下に投与 アスピリン群 126 例は 100mg を経口的に 1 日 2 回投与した Orgaran 群の予防投与開始は術後平均 18 時間以内 アスピリン群は平均 17 時間以内に開始し 4 日間または退院まで続けられた DVT の診断は I 125 -fibrinogen 下肢シンチや impedance plethysmography で行われた 両下肢静脈造影がすべての患者の退院前に行われ 患者の 80.9% に施行された 177 例の患者が評価可能な静脈造影であった (Orgaran 90 例 アスピリン 87 例 ) Orgaran 群の 25 例 (27.8%) アスピリン群の 39 例 (44.3%) は DVT を発生し Orgaran の相対リスク減尐は 37% であった (P=0.028) 出血合併症は 10 例に発生し Orgaran 群は 1 例の大出血と 1 例の小出血 (1.6%) で アスピリン群は 4 例の大出血と 4 例の小出血であった (P=0.102) 術後開始する Orgaran はアスピリンと比較して静脈血栓症の減尐に有意差を持って有効で 出血も尐なかった (EV level IB) 1) DVT00280:Powers P, Gent M, Klimek M, Levine MN, Geerts W, Neemeh J, Turpie AGG, Jay R, Leclerc J, Ginsberg J, Hirsh J, A randomized, double-blind trial 5

6 comparing a low-molecular weight heparinoid, Orgaran, with aspirin in the prevention of venous thromboembolism following surgery for hip fracture. Thrombosis & Haemostasis 69(6):1116, 1993 抗ビタミン K 阻害薬 ( ワルファリン ) 抗凝固薬のなかでは唯一経口投与可能であることから 現在でも米国を中心に術後 VTE 予防に使用されることが多い ワーファリンは肝臓におけるビタミンK 依存性凝固因子である第 Ⅱ Ⅶ Ⅸ Ⅹ 因子の合成阻害を行い 強力な凝固作用を発揮する一方 出血合併症も発生しやすい また催奇形性があるため 妊娠中や妊娠疑いのある患者には禁忌である 一次予防として使用する場合 1 日 1~2mg を 1 回 / 日服用する低用量ワーファリン療法があるが ワーファリンは肝臓代謝の薬剤であり その効果は食事や併用薬の影響を受けやすく 投与量と抗凝固作用の発現に個人差が大きいのが特徴である 骨折患者 ( 股関節骨折手術時 ) におけるワーファリンの位置づけは 第 8 版 ACCP ガイドラインで Grade 1B Prevention and treatment of venous thromboembolism: international Consensus Statement (Guidelines according to scientific evidence) では Grade A にランクされているが いずれのガイドラインも PT-INR( プロトロンビン時間 - 国際標準化比 ) 2.0~3.0 を目標値に調節する用量調節ワーファリン療法である 本邦では出血合併症を考慮し PT-INR 1.5~2.5 程度にコントロールされることが多い 一方 NICE clinical guideline Scottish Intercollegiate Guideline Network (SIGN) Prophylaxix of Venous Thromboembolim; a national clinical guideline そして A Practice Management Guideline for the Management of Venous Thromboembolism in Trauma Patients. として知られている EAST guideline では骨折患者に対する予防法としてワーファリンの記載はない したがって ワーファリンは骨折や外傷患者に対する VTE の一次予防として使用されるよりも VTE 発症後の二次予防として使用されることが多いと考えられる この場合 ワーファリンは投与開始から治療域に達するまで数日間を要するため 初期にはヘパリンとの併用を行う 今回 渉猟した文献の中に骨折患者に対するワーファリンの予防効果についての コントロール群と比較した研究報告を見つけることはできなかった これは ワーファリンに関する研究は新しいものでも 1989 年発行であるため 今回の文献検索からは抽出されなかったためである 1) ACCP155 Powers PJ, Gent M, Jay RM, et al. A randomized trial of less intense postoperative warfarin or aspirin therapy in the prevention of venous thromboembolism after surgery for fractured hip. Arch Intern Med 1989; 149: ( 原文確認 ) 6

7 ワーファリンの治療域コントロールに影響を与える因子は? [Scientific statement] 1) 股関節手術患者に対してワーファリン治療域をコントロールする際 高齢患者 ( 特に 80 歳以上 ) そして股関節骨折患者は THA 患者に比較して尐ない投与量で治療域に達し 体重増加患者 ( 約 82 kg以上 ) 男性が女性に比較して多くの量が必要であった (EV level III) 2) 股関節骨折患者に対してワーファリン治療域をコントロールする際 高齢患者は有意に平均 1 日ワーファリン投与量が尐なく 自宅からの入院患者 男性 血液学専門医による抗凝固療法施行例 DVT/PE の既往患者に平均ワーファリン投与量が多かった (EV level III) 1) VTE 予防として THA 204 例と股関節骨折 56 例に手術当日からワーファリンを PT-INR を目標に投与開始し コントロールに影響を与える因子について検討した ワーファリンのコントロールに拘わらず PT.INR が入院中に 4.0 以上になったことを感度亢進と定義し PT.INR が入院中に 1.6 以上にならなかったことを感度低下と定義した 結果 ワーファリン感度亢進患者の割合は 80 歳以上が 80 歳未満と比較して有意に高く (18.1% 対 7.0%:P=0.008) 手術法では股関節骨折手術患者が THA 患者に比較して感度亢進の患者の割合が有意に多かった (22.2% 対 7.4% P=0.002) 一方 ワーファリン感度低下患者の割合は 体重 180 ポンド以上の患者は 180 ポンド未満の患者と比較して有意に多く (27.0% 対 11.8% P=0.001) 男性が女性に比較して有意に高かった (29.2% 対 9.9% P=0.0001) (EV level III) 2) 股関節骨折手術を施行され ワーファリンによる予防を受けた 55 歳以上の患者 215 例 ( 平均年齢は 78.9±9.5 歳 ) に後ろ向き cohort 研究を行い 術後 6 週間までの平均 1 日ワーファリン投与量 術後のヘモグロビン量減尐 出血合併症の出現頻度 ( 大出血はヘモグロビン 20g/L 以上の減尐や 2 単位以上の輸血と定義 ) コントロールされるまでの日数との関連因子について評価された ワーファリンは手術日の夜より PT.INR を目標に開始された 結果 高齢患者は有意に平均 1 日ワーファリン投与量が尐なかった (P<0.001) 自宅からの入院患者(P=0.008) 男性(P=0.006) 血液学専門医による抗凝固療法施行例 (P=0.004) DVT/PE の既往患者 (P=0.03) に平均ワーファリン投与量が多かった (EV level III) 1) DVT00808:Messieh M, Huang Z, Johnson LJ, Jobin S Warfarin responses in total joint and hip fracture patients J Arthroplasty 14(6): , 1999 Case-Control Study 2) DVT00296: Isaacs C, Paltiel O, Blake G, Beaudet M, Conochie L, Leclerc J : Age-associated risks of prophylactic anticoagulation in the setting of hip 7

8 259 fracture. Am J Med 96(6): Retrospective cohort study ビタミン K 拮抗薬 ( ワーファリン ) の継続期間は? [Scientific statement] 症候性 VTE 発症患者に対してビタミンK 拮抗薬を ( 目標 PT-INR 2.5にコントロール ) 投与した結果では 長期投与は短期投与に比較してVTE 再発率を減尐させるが その至適投与期間に関しては明らかではない (EV level Ia) 1) 症候性 VTE 発症患者に対してビタミン K 拮抗薬を目標 PT-INR 2.5 にコントロールした RCT の8 研究 ( 総患者数 2994 症例 ) での異なったビタミン K 拮抗薬治療期間 (4 週と 3 ヶ月 6 週と 12 週 6 週と 6 ヶ月 3 ヶ月と 1 年 3 ヶ月と 27 ヶ月 6 ヶ月と 4 年 ) における再発性 VTE 発生率を比較検討した systematic review 結果)8 研究中 4 研究で長期投与により VTE 合併症が統計学的に防止でき 他の 4 研究では明らかな減尐傾向を示した 8 研究を統合すると短期間の投与では VTE 合併症は 1495 例中 116 例 (8%) に対し 長期間投与では 1499 例中 14 例 (1%) であり 長期投与で統計学的有意差をもって血栓塞栓症イベントが減尐 (OR 0.18, 95% CI 0.13 to 0.26) 長期に治療継続した患者は再発の危険性が 5 分の 1 以下の低い再発率であった (EV level Ia) 1) :Duration of treatment with vitamin K Bantagonists in symptomatic venous thromboembolism. Hutten, BA; Prins, MH Cochrane Database of Systematic Reviews. 3, ワーファリンの長期投与は出血合併症を増加させるか? [Scientific statement] 症候性 VTE 発症患者に対してビタミン K 拮抗薬を ( 目標 PT-INR 2.5 にコントロール ) 投与した結果では 長期投与は短期投与に比較して出血合併症を増加させる (EV level Ia) 1) 症候性 VTE 発症患者に対してビタミン K 拮抗薬を使用 ( 目標 PT-INR 2.5 にコントロール ) した RCT の8 研究 ( 総患者数 2994 症例 ) の分析 8 研究で 7 種類の異なったビタミン K 拮抗薬治療期間 (4 週と 3 ヶ月 6 週と 12 週 6 週と 6 ヶ月 3 ヶ月と 1 年 3 ヶ月と 27 ヶ月 6 ヶ月と 4 年 ) において主要出血 (major bleeding) 頻度 死亡率が比較検討された 結果 ) 主要出血 (major bleeding) 頻度はビタミン K 拮抗薬長期投与では 1499 例中 36 例 (2.4%) 短期投与では 1495 例中 13 例 (0.9%) であり 統計学的有意 8

9 に長期投与で出血合併症が増加した (OR 2.61, 95% CI 1.48 to 4.61) また 長期投与群は短期投与群に比較して死亡率の低下 ((5.3% VS 6.4% ) がみられたが 統計学的有意差はなかった (OR 0.80,95% CI 0.34 to 1.91) (EV level Ia) 1) :Duration of treatment with vitamin K antagonists in symptomatic venous thromboembolism. Hutten, BA; Prins, MH Cochrane Database of Systematic Reviews. 3, ワーファリンの長期投与は骨折を増加させるか? [Scientific statement] 症候性 VTE 発症患者に対してビタミン K 拮抗薬を ( 目標 PT-INR 2.5 にコントロール ) 投与した結果では 服用期間が長くなるにつれ椎体骨折 肋骨骨折が増加する (EV level II) 1) 静脈血栓症を発症後 経口抗凝固薬 (dicumarol と warfarin) を継続服用した 35 歳以上の女性 572 名と一般住民の性 年齢別の骨折発症率 ( 標準発生率 [SIR]) から予測した骨折数を比較した後ろ向きコホート調査研究 椎体骨折の SIR は 3 ヶ月以内の服用では 2.4(95% 信頼区間 [CI] ) 3-12 ヶ月では 3.6(CI ) 12 ヶ月以上では 5.3(CI ) であった また肋骨骨折は 3 ヶ月以内の服用では 1.6(CI ) 3-12 ヶ月では 1.6(CI ) 12 ヶ月以上では 3.4(CI ) であった 他の骨折リスクの増加は明らかではなかった 経口抗凝固薬の 12 ヶ月以上の服用は椎体骨折 (p=0.009) 肋骨骨折(p=0.02) の独立した予測因子であった (DVT00776) (EV level II) 1) DVT00776:Caraballo PJ, Heit JA, Atkinson EJ, Silverstein MD, O'Fallon WM, Castro MR, Melton LJ 3rd. Long-term use of oral anticoagulants and the risk of fracture. Arch Intern Med. Aug 9-23; 159(15): , その他のワーファリンの合併症は? [Scientific statement] 大腿骨転子部骨折術後に皮膚壊死が症例報告されている (EV R-V)? 1) 転倒受傷した 69 歳女性の左大腿骨転子下骨折に対して受傷後 36 時間に手術施行 術後 1 日目からワーファリン 5mg 開始 二日目より 2.5mg 内服を開始した 術後 5 日目に下腿の浮腫と紫斑を認め ワーファリンを中止した 術後 7 日目に約 15cm 紫斑を認め 9

10 水疱を伴っていた 11 日目に自潰し 中心部分は壊死となった 37 日目にデブリドマン後 皮膚移植を行い創は正常に治癒した (EV R-V) 1) DVT00271:LaPrade RF, Fowler BL, Ryan TG:Skin necrosis with minidose warfarin used for prophylaxis against thromboembolic disease after hip surgery. Orthopedics 1993 (16) へパリン ヘパリン類は未分画ヘパリン 低分子へパリン 低分子ヘパリノイドの大きく 3 つに分類される 抗凝固薬は 活性型第 X 因子 (Xa) およびトロンビンの2つの活性型凝固因子のうち 抗トロンビン作用が強い薬剤は出血リスクが高くなり 未分画へパリンの抗 Xa/ トロンビン活性比は1:1とほぼ中間の位置にある 低分子へパリン 低分子ヘパリノイドは抗 Xa 作用がより強い薬剤 すなわち出血リスクの低い薬剤として開発された薬剤である ヘパリン類の種類 適応 特徴を表 2に示す 後に述べるフォンダパリヌクスを含めた抗凝固薬の作用点を図 1 薬理作用機序を図 2に示す (1) 未分画ヘパリン (unfractionated heparin: UH) 未分画ヘパリンには ヘパリンナトリウムとヘパリンカルシウムがある 皮下注用としては カプロシン R 皮下注用 (20,000 単位 /0.8ml/V) がわが国では用いられる 未分画ヘパリンの使用法は 体重などを考慮せず低用量のヘパリンを投与する 低用量未分画ヘパリン (low dose UH: LDUH) と 目標値にコントロールしながら使用する 用量調節型へパリン の2つがある 出血合併症が出現しやすいことが注意点であるが 半減期が 30~60 分と短いため 出血合併症が発症した際には 投与を中止することで効果を減弱させやすい 本薬剤には中和薬として硫酸プロタミンが存在するため 重篤な合併症の出現時には未分画ヘパリン 100 単位あたり硫酸プロタミン1mg を目安に投与する ヘパリン投与後の合併症として ヘパリン起因性血小板減尐症 (HIT) があり その頻度は 3~ 5%( 欧米 ) 程度と報告されている ( 表 3) 1) 低容量未分画ヘパリン未分画ヘパリンを 8~12 時間おきに 2500~5000 単位を皮下注射する方法である 低用量であり 用量調節の必要がないことが特徴である 一方でその抗凝固効果は比較的弱く 安定しない傾向にある 2) 用量調節未分画ヘパリン未分画ヘパリン投与前に活性化部分トロンボプラスチン時間 (activated partial thromboplastin time : APTT) を測定し それを基に正常値の上限となるようにヘパリン投与量をコントロールしていく方法である 低容量未分画ヘパリンと比較して VTE 予防効果が高い一方 頻回の採血検査によるコントロールが必要であるため煩雑であ 10

11 りあまり使用されていない (2) 低分子ヘパリン (low molecular weight heparin: LMWH) 欧米では 1990 年代より術後の VTE 予防として一般的に用いられており 多くの種類の薬剤が販売されている 我が国で使用可能であるダルテパリン ( 商品名フラグミン ) は DIC や体外循環時の血液凝固防止が保険適応となっており 海外とは異なり VTE 予防には承認されていない 2008 年に承認 販売となったエノキサパリン クレキサン R 皮下注キット 2,000IU/0.2ml/ シリンジ が VTE 予防として保険適応となっているが 本邦での適応は現在のところ 下肢整形外科手術 ( 股関節全置換術 膝関節全置換術 股関節骨折手術 ) 施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制 となっている 欧米での用量設定は 4000 単位 /1 回 / 日皮下注射 ( 主に欧州 ) もしくは 3000 単位 /2 回 / 日 ( 主に米国 ) であるが 日本では平均体重が欧米人の約 2/3 であることより 2000 単位 /2 回 / 日の使用となっている 血中半減期は2~4 時間で 体内動態が安定していることより採血などによるコントロールが不要であることが利点である また ヘパリン依存性血小板減尐症 (HIT) や長期間使用による骨粗鬆症といった合併症もみられにくい プロタミンの低分子へパリンに対する中和作用は不十分で 60% 程度とされている (3) 低分子ヘパリノイド ダナパロイドナトリウム (danaparoid sodium: 商品名オルガラン ) はオランダで開発されたヘパリン硫酸を主成分とする分子量 5,500 の低分子ヘパリノイドである 欧米では DVT 予防薬として一般的に使用されているが 日本では DIC の治療薬としての保険適応しか承認されていない 抗 Xa/ トロンビン活性が未分画ヘパリンの 22 倍と高く 血中半減期が約 20 時間と長いことが特徴である 他のヘパリン類と同様 腎臓代謝であるため 腎機能低下症例では用量を減ずる必要がある 10. ヘパリンは骨折患者の術後 VTE を減尐させるか? < 解説 > 骨折患者に対するヘパリンの VTE 予防効果についてのエビデンスレベルの高い報告は 大腿骨近位部骨折を対象としたものであり 欧米での骨折患者に対する予防法は大腿骨近位部骨折患者および THA TKA におけるエビデンスが基になっている 我が国におけるヘパリン類の予防効果に関するエビデンスはほとんどない [Scientific statement] 1) 大腿骨近位部骨折術後において 未分画ヘパリン 低分子へパリンは共に DVT を減尐させるが PTE に関しては十分なデータがなく明らかではない (EV level Ia) 2) 大腿骨近位部骨折患者に対する低分子ヘパリン (enoxaparin)1 日 60mg 術前分割投 11

12 与 ( 朝 20mg 晩 40mg) による血栓症予防は安全で VTE 予防に有用である (EV level Ib) 3) 大腿骨近位部骨折に対する低分子へパリン (fraxiparin) の投与は コントロール群と比較して DVT 発生率に差はみられなかった (EV level?) 4) 大腿骨近位部骨折に対する術前からの低分子ヘパリン (enoxaparin)40mg 1 回 / 日投与群は生理食塩水を投与したプラセボ群と比較して DVT 発生率に差はみられなかった (EV level Ib) 5) 大腿骨近位部骨折に対する低分子ヘパリン (nadroparin) 投与群は非投与群と比較して 遠位 近位 DVT ともに有意に減尐した (EV level Ib) 6) 大腿骨近位部骨折に対する低分子ヘパリン群 (fragmin) はプラセボ群に比較して DVT 発生率が有意に減尐し 術中出血やドレーンの出血には差はなかった (EV level Ib) 7) 大腿骨近位部骨折に対する低分子ヘパリン投与群はプラセボ群に比較して DVT 発生率が有意に減尐し 術中出血やドレーンの出血には差はなかった (EV level?) 8) 大腿骨近位部骨折に対する低分子へパリン投与群はプラセボ群に比較して DVT 発生率が有意に減尐した (EV level Ia) 9) 股関節骨折患者に対してエノキサパリン 20 mgを術後 24~36 時間に皮下注し その後 1 日 2 回 14 日間の投与後の DVT の発生率は 14.0% で 症候性 PTE はなく VTE 予防に有用で安全であった (EV level II?) 1) 未分画ヘパリン群対コントロール群 (10 の RCT における 826 例 ) の検討の結果 未分画ヘパリンは未使用群に比較して有意に DVT を減尐させる また低分子ヘパリン群対コントロール群 (5 つの RCT における 373 例 ) の検討の結果 低分子へパリンは股関節骨折術後の DVT を減尐させる しかし PTE に関しては両薬剤共に十分なデータがなく明らかではない (EV level Ia) 2) 大腿骨近位部骨折 897 例の低分子ヘパリン (enoxaparin) の予防効果に関する前向きコホート研究 大腿骨近位部骨折 897 例に対して DHS:296 例 Gamma Locking Nail:252 例 人工骨頭置換術 :251 例 THR:74 例 その他 :24 例を行った 予防法は 当日手術施行された場合は術後の夜に 40mg 投与 待機手術の場合は手術日まで enoxaparin 朝 20mg 晩 40mg 投与し 手術当日の朝は中止した 術後 5 日間は enoxaparin 20mg 40mg を投与し その後 夜のみ 40mg へとし 術後 5 週間継続した 手術は入院後 12 時間以内に行われた患者は 42% 24 時間以内に行われた患者は 54% 36 時間以内は 64% であった DVT の臨床所見は 37 例 (4.2%) に見られ 全例静脈造影が実施され 5 例 (0.6%) に DVT が確認された これらの症例に PE は認められなかった PE の臨床所見を呈した症例は 4 例 (0.4%) であり 2 例 (0.2%) が CT で確定診断された PE による死亡例はなかった 大出血は 42 例 (4.7%) に発症し 脳内出血による死亡が 1 例あった Ⅱ 型の HIT( ヘパリン起因性血小板減尐症 ) はみられなかった 結論 大腿骨近位部骨折患者に対する Enoxaparin 1 日 60mg 術前分割投与 ( 朝 20mg 晩 40mg) による血栓症予防は安全で VTE 予防に有用である DVT01114(EV level II) 12

13 ) 大腿骨近位部骨折 78 例 ( 男性 11 例 女性 67 例 ) のうち 23 例に低分子へパリン (Fraxiparin dose 記載なし ) を予防的に投与 55 例をコントロールとした 結果 DVT は 29 例 (37%) に発生した 低分子へパリン群では 患側 DVT22% 健側 4% 両側 8% 全体で 35% に発生 コントロール群では 患側 DVT22% 健側 5% 両側 11% 全体で 38% に発生し 2 群間に有意差はなかった 有意差があったのは 患側と健側の間のみであった DVT00777(EV level II or III) 4) 大腿骨近位部骨折を 術前から低分子ヘパリン ( エノキサパリン )40mg 投与群と生理食塩水を投与したプラセボ群に分け DVT 発生率を比較検討した二重盲検 RCT 手術までの期間は低分子ヘパリン群平均 23 時間 (16-38 時間 ) プラセボ群平均 25 時間 (17-36 時間 ) で 術後は両群とも 40mg のエノキサパリン1 日 1 回投与 DVT の診断は術後 6-13 日に両下肢静脈造影施行 症状出現時 肺血流換気シンチを施行 結果 DVT 発生率は低分子ヘパリン群 9 例 (12%) プラセボ群 15 例 (21%) であり有意差はなく risk ratio は 0.58 (95% 信頼区間 ) p=0.15( カイ二乗テスト ) であった DVT00691(EV level Ib) 5) 大腿骨転子部骨折 88 例 大腿骨骨頭下骨折 62 例に低分子ヘパリン (Nadroparin) を投与群と非投与群に分け DVT の発生率について比較検討した double blind study 対象群を大腿骨転子部骨折では投与群 44 例 (A 群 ) と非投与群 44 例 (B 群 ) 大腿骨骨頭下骨折では投与群 28 例 (C 群 ) と非投与群 34 例 (D 群 ) の4 群に分けた 投与方法は 入院から Nadroparin 0.3ml を1 日 1 回投与開始し 術後 0.6ml を1 日 1 回投与し 12 日まで継続後 患側の静脈造影を施行し DVT の発生率について比較検討した DVT の発生率は 近位 ( 膝上 ) 血栓は A 群 0 例 B 群 6 例 C 群 2 例 D 群 13 例であり 遠位 ( 膝下 ) 血栓は A 群 13 例 B 群 21 例 C 群 9 例 D 群 16 例であり 低分子ヘパリン群で有意に減尐がみられた DVT00439(EV level Ib) 6) 40 歳以上の股関節骨折手術患者 68 例 ( 低分子ヘパリン群 (Fragmin) は 30 例 プラセボ群は 38 例 ) の DVT 発生頻度と合併症を比較した前向き無作為 double-blind 調査 低分子ヘパリンは手術 2 時間前に 2500 単位 手術後 12 時間に 2500 単位 以降は 1 日 1 回朝に腹部皮下に投与された DVT の診断は 125-I-fibrinogen uptake test (RFUT) で陽性時に静脈造影施行 結果 DVT 発生頻度は低分子ヘパリン群 9/30 例 (30%) はプラセボ群 22/38 (58%) に比較して有意に (P<0.03) 減尐 DVT の発生は患側 23/31(74.2%) は健側 8/31(25.6%) に比較して有意に (P<0.03 高かった 術中出血 ドレーンの出血に有意差はなかった DVT00160(EV level Ib) 7) 股関節骨折患者を低分子ヘパリン群 30 例 プラセボ群 38 例に分け 125-I-fibrinogen uptake test (RFUT) を用いて 術前 術後 1 日目 3 日目 5 日目 7 日目 9 日目に DVT の有無を評価し 陽性の時は技術的に可能であれば上行性静脈造影で確認された DVT 発生頻度は低分子ヘパリンで有意に減尐 (50%) し 術中出血やドレーンの出血にはコントロール群と有意差はなかった DVT00160(EV level II) 前向きか? 13

14 ) 大腿骨近位部骨折に対する低分子へパリンの予防効果をプラセボ群と比較した Meta-Analysis 2つの文献の症例数は 175 ( ) DVT の診断はアイソトープ法によるスクリーニングおよび静脈造影法 結果 それぞれの報告による DVT 発生数は低分子へパリン群 14/53 VS プラセボ群 23/54(Odds Ratio 0.46) 低分子へパリン群 9/30 VS プラセボ群 22/38(Odds Ratio 0.33) 95% 信頼区間 0.42 ( ) であり 低分子へパリンは有意に予防に有効であった DVT00121(EV level Ia) 9) 骨折後 10 日以内に手術を受けた股関節骨折患者 54 例 ( 頚部骨折 24 例 転子部骨折 19 例 転子下骨折 3 例 ) に対してエノキサパリン 20 mgを術後 24~36 時間に皮下注し その後 1 日 2 回 14 日間投与した このうち術後下肢静脈造影を行い判読可能であった 43 例の DVT および症候性 PTE 発生率を検討した 結果 男性 8 例 女性 35 例で平均年齢は 76.6 歳であった DVT の発生率は 14.0% で全例無症候性であり PTE が疑われたものはなかった 出血事象は3 例 (7.0%) であり 大出血 1 例 小出血 2 例であった (EV level II?) 1) Heparin, low molecular weight heparin and physical methods for preventing deep vein thrombosis and pulmonary embolism following surgery for hip fractures. Handoll HH, Farrar MJ, McBirnie J, Tytherleigh-Strong G, Milne AA, Gillespie WJ. Cochrane Database Syst Rev. 2002;(4):CD ) Systematic Review DVT01114:Thaler HW, Roller RE, Greiner N, Sim E, Korninger C. Thromboprophylaxis with 60 mg enoxaparin is safe in hip trauma surgery. J Trauma.; 51(3): ) DVT00777RCT ではない :Deep vein thrombosis in elderly Hong Kong Chinese with hip fractures detected with compression ultrasound and Doppler imaging: incidence and effect of low molecular weight heparin. Arch Orthop Trauma Surg 199(38050): 156-8, ) DVT00691:Jorgensen, P. S. Strandberg C. Wille Jorgensen P. Torholm C. Neergaard K. Paaske B. P. Rasmussen S. W. Christensen S. W. Mantoni M. and Thamsen H.: Early preoperative thromboprophylaxis with klexane in hip fracture surgery. A placebo controlled study. Clin appl thrombosis/hemostasis ) DVT00439:Sourmelis S, Patoulis G, Tzortzis G:Prevention of deep vein thrombosis with low molecular weight heparin in fractures of the hip. Journal of Bone and Joint Surgery British Volume 1995:173T 6) DVT00160:Jorgensen PS, Knudsen JB, Broeng L, Josephsen L, Bjerregaard P, Hagen K, Jorgensen PK, Torholm C : The thromboprophylactic effect of a low-molecular-weight heparin(fragmin) in hip fracture surgery. A placebo-controlled study. Clin Orthop (278):95-100, ) DVT00160:Jorgensen PS, Knudsen JB, Broeng L, Josephsen L, Bjerregaard P, Hagen 14

15 K, Jorgensen PK, Torholm C, The thromboprophylactic effect of a low-molecular-weight heparin(fragmin) in hip fracture surgery. A placebo-controlled study. Clin Orthop (278):95-100, ) DVT00121:Lassen MR, Borris LC, Christiansen HM, Schott P, Olsen AD, Sorensen JV, Rahr H, Jensen HP: Clinical trials with low molecular weight heparins in the prevention of postoperative thromboembolic complications: a meta-analysis. Semin Thromb Hemost 1991, 17 Suppl ) 冨士武史 藤田悟 : 股関節骨折術後の静脈血栓塞栓症予防に対するエノキサパリンの有用性と安全性. Hip Joint 34: , 未分画へパリンと低分子へパリンの VTE 予防効果比較 < 解説 > 未分画ヘパリンと低分子へパリンの予防効果について比較されたエビデンスレベルの高い報告は 大腿骨近位部骨折を対象としたものであり 低分子へパリンの有用性が示されている しかし 全ての研究の方法論に欠陥がみられることや その中でも相対的にエビデンスレベルの高い研究における両薬剤の比較では有効性に差はみられないことから 低分子へパリンの有意性を積極的に支持するエビデンスは不十分とされている <Scientific statement> 1) 股関節骨折術後の VTE 発症に関する低分子へパリンと未分画へパリンを比較した研究では 低分子へパリン群に有意に DVT を減尐させる結果が得られた しかし全ての研究の方法論に欠陥がみられることから 低分子へパリンの有意性を示すエビデンスは不十分である (EV level Ia) 2) 大腿骨近位部骨折に対する低分子ヘパリン (enoxaparin)(40mg 1 日 1 回投与 術前は 20mg 1 日 2 回投与 ) と未分画ヘパリン (5000 単位 1 日 2 回 ) を比較した研究では 術後 DVT 発生率に有意差はなかった (EV level II) 3) 股関節骨折患者に対する低分子ヘパリン (sandoparin)1 日 1 回投薬群と未分画ヘパリン 5000 単位 3 回投薬群を比較した研究では 術後 DVT 発生率に有意差はなかった (EV level Ib) 4) 大腿骨近位部骨折に対する低分子へパリン (sandoparin) と低容量未分画ヘパリンと比較した研究では 術後 DVT 発生率に統計学的有意差はなかった (EV level Ia) 1) 股関節骨折術後の VTE 発症に関する低分子へパリンと未分画へパリンを比較した 5 つの RCT(644 名の患者 ) の systematic review からは 低分子ヘパリンが未分画ヘパリンに比較して DVT を減尐させる結果が得られた しかし 研究の方法論的スコアが 16 以上とエビデンスレベルの高い 3 研究では差はみられず また全ての研究の方法論に欠陥がみられることから 低分子へパリンの有意性を示すエビデンスは不十分 (EV level 15

16 Ia) 2) 331 例の連続した 18 歳以上の急性の大腿骨頚部骨折または大腿骨近位 1/3 骨折に対する open で前向きな比較研究である この研究では患者は無作為に低分子ヘパリン (enoxaparin)(40mg 1 日 1 回投与 術前は 20mg 1 日 2 回投与 )139 例または未分画ヘパリン (5000 単位 1 日 2 回 )120 例による血栓予防を受けるように割り付けられた 最初の注射投与はこの研究に参加してすぐに始められ 術後 7±2 日または完全に動けるようになるまで続けられた 術後の DVT は術後 7±2 日の両下肢静脈造影で診断され 静脈造影図は無作為割り付けを知らない 3 名の放射線医師によって評価された enoxaparin 群 30 例と未分画ヘパリン群 35 例の術後 DVT 発生頻度に有意差はなかった 3 ヵ月以内の死亡が enoxaparin 群よりも未分画ヘパリン群に有意に多かった (EV level II) 3) 股関節骨折患者を未分画ヘパリン群 (33 例 ) 低分子ヘパリン群(35 例 ) に分け予防効果を比較した RCT 低分子ヘパリン(Sandoparin) は 1 回投薬 未分画ヘパリン (Liquemin: 単位 ) 3 回投薬した 低分子ヘパリンの最初の投薬は未分画ヘパリンと同様に術前に救急病棟で行われた 術後 4-6 日目に DVT のスクリーニングとして臨床検査 Liquid Crystal Contact Thermography(LCCT) カラー超音波検査 静脈造影が施行された DVT 発生頻度は未分画ヘパリン群で 10/33 例 (10%) 低分子ヘパリン群で 6/35 例 (17%) で有意差はなく 両群共に 60 例ないと統計学的有意差はでない (EV level Ib) 4) 大腿骨近位部骨折に対する低分子へパリンの予防効果を低容量未分画ヘパリン (1 日 2 回または 3 回投与 ) と比較した Meta-Analysis 4つの文献の症例数 378 ( ) その結果 低分子へパリンが有益な傾向を示したが 1 回投薬の低分子ヘパリン (Sandoparin) と 3 回投薬の未分画ヘパリン (Liquemin: 単位 ) では 症例数が尐ないが DVT 発生率に統計学的有意差はなかった また安全性についての言及はみられなかった 血栓同定 LMWH 3/35: LDH 7/33 Odds Ratio 0.37 LMWH 14/32: LDH 6/30 Odds Ratio 2.91 LMWH 14/53: LDH 23/54 Odds Ratio 0.49 LMWH 5/70: LDH 7/70 Odds Ratio % 信頼区間 0.77 ( ) DVT00121(EV level Ia) 1) Heparin, low molecular weight heparin and physical methods for preventing deep vein thrombosis and pulmonary embolism following surgery for hip fractures. Handoll HH, Farrar MJ, McBirnie J, Tytherleigh-Strong G, Milne AA, Gillespie WJ. Cochrane Database Syst Rev. 2002;(4):CD Systematic Review 2) DVT00453:Borris LC, Lassen MR, Poulsen KA, Jensen HP, 16

17 Thromboembolic complications after hip fracture prophylaxis with low molecular weight heparin(enoxaparin) versus unfractionated heparin. Thrombosis & Haemostasis 73(6):1104, ) DVT01873: EV lebvel IB? 症例がが尐ない ): Platz A, Hoffmann R, Kohler A, Bischof T, Trentz O, Prevention of thromboembolism in hip fracture: unfractionated heparin versus low molecular weight heparin(a prospective, randomized study) Zeitschrift fur Unfallchirurgie und Versicherungsmedizin 86(3): , ) DVT00121:Lassen MR, Borris LC, Christiansen HM, Schott P, Olsen AD, Sorensen JV, Rahr H, Jensen HP: Clinical trials with low molecular weight heparins in the prevention of postoperative thromboembolic complications: a meta-analysis. Semin Thromb Hemost 1991, 17 Suppl 未分画ヘパリン (UFH) と低分子量ヘパリン (LMWH) の出血合併症比較 < 解説 > 未分画ヘパリンと低分子へパリンの安全性比較についてのエビデンスレベルの高い研究報告は 大腿骨近位部骨折を対象としたものであるが 研究報告における症例数が尐なく検証には不十分である 他の研究報告は 人工関節手術など骨折以外の整形手術も含まれた分析や種々の予防法が混在した分析であり 研究の方法論に欠陥がみられ信頼性に乏しい結果となっている <Scientific statement> 1) 股関節骨折手術における低分子へパリンと未分画ヘパリンにおける出血合併症についての比較は創部血腫のみが評価可能であり 両群間に有意差はない (EV level Ia) 2) 整形外科大手術では 低分子へパリンが未分画ヘパリンに比較して安全性が良好である傾向が認められる 3) 股関節骨折患者に種々の予防法を行った結果 小出血 大出血 ( 出血死 口腔内出血 再手術必要な出血 ) 3 単位以上の輸血の発生頻度は 予防なし群 (1.9% 1.9% 13.2%) enoxaparin 術後 12 時間以内投与群 (5.7% 0.8% 12.6%) enoxaparin 術後 時間投与群 (2.9% 1.2% 10.9%) 未分画ヘパリン群(10% 10% 20%) であった (EV level III) 1) 股関節骨折手術における 3 つの RCT (Hoffmann 1996, Monreal 1989, Pini 1989) の systematic review では 出血合併症については創部血腫のみが評価可能であり 低分子へパリンでは 136 例中 4 例 未分画ヘパリンでは 113 例中 6 例であり有意差はなかった P=0.4 Relative Risk 0.60[99% CI 0.19, 1.88] しかし それぞれの研究報告の 17

18 症例数が尐ないため断定するには至らない結果となっている 低分子へパリンと未分画ヘパリンの症例数は Hoffmann 1996(67 vs 45) Monreal 1989(44 vs 42) Pini 1989 (25 vs 24) (EV level Ia) Handoll HH 2) 文献の原データに基づくメタアナリシスを実施し 大手術後の血栓症予防における低分子量ヘパリン (LMWH) と未分画ヘパリン (UFH) の有効性と安全性について比較を行った 有効性の主要評価項目として すべての位置の DVT を用い 安全性の主要評価項目には創傷血腫を用いた 一般外科では 有効性の面で LMWH と UFH の間に意味のある差は認められない ; 安全性の結果は 用量に強く依存する :UFH 使用時と比較して 低用量 LMWH 使用時には創傷血腫のリスクが有意に低く 高用量 LMWH 使用時にはそのリスクが有意に高い 整形外科では LMWH の方が 有効性および安全性が良好である傾向が認められる さらに 整形外科では 近位 DVT および肺塞栓症に関しても LMWH が UFH より優れている 近位 DVT および肺塞栓症の発生率は それぞれ UFH 使用時よりも LMWH 使用時の方が一貫して尐ないが 遠位 DVT の発生率は UFH 使用時の方が若干尐ない (EV level Ia) meta-analysis 3) 股関節骨折患者 939 例の VTE 予防に弾性ストッキング ( 大多数 ) 間欠的空気圧迫装置 (IPC 約半数) を使用した予防薬合併症についての後ろ向き研究 薬剤予防なし群 53 例 アスピリン群 387 例 ワーファリン群 ( 術後 12 時間以内に投与開始 )17 例 enoxaparin 12 時間群 ( 術後 12 時間以内に投与開始 30mg 2 回 / 日 or 40mg 1 回 / 日 )245 例 enoxaparin 時間群 174 例 未分画ヘパリン群 (5000 単位 3 回 / 日 )10 例 その他 53 例であった DVT は Doppler 超音波検査で PE は肺血流換気シンチで診断 HIT 発症例なし 小出血 大出血 ( 出血死 口腔内出血 再手術必要な出血 ) 3 単位以上の輸血の発生頻度は予防なし群 (1.9% 1.9% 13.2%) アスピリン群(3.1% 0% 4.7%) ワーファリン群 (0% 0% 17.6%) enoxaparin 12 時間群 (5.7% 0.8% 12.6%) enoxaparin 時間群 (2.9% 1.2% 10.9%) 未分画ヘパリン群(10% 10% 20%) であった アスピリン群で 1 例の遠位型 DVT 1 例の致死的 PE 発生 Enoxaparin 群で 2 例の近位型 DVT 発生 (EV level III) 1) Handoll HH, Farrar MJ, McBirnie J, Tytherleigh-Strong G, Milne AA, Gillespie WJ: Heparin, low molecular weight heparin and physical methods for preventing deep vein thrombosis and pulmonary embolism following surgery for hip fractures. Cochrane Database The Cochrane Library 2004, Issue 2 2) DVT :Armin Koch, Sandra Ziegler, Heike Breitschwerdt and Norbert Victor : Low molecular weight heparin and unfractionated heparin in thrombosis prophylaxis: meta-analysis based on original patient data, Database of Abstracts of Reviews of Effects. Issue 3, meta-analysis (Thrombosis research 102 (2001) がオリジナル ) 3) DVT01508 : Ennis RS: Postoperative deep vein thrombosis prophylaxis: a retrospective analysis in 1000 consecutive hip fracture patients treated in a 18

19 community hospital setting. J South Orthop Assoc 12(1):10-17, ヘパリノイドの VTE 予防効果は? <Scientific statement> 1) 低分子へパリノイド ( ダナパロイド : 商品名オルガラン ) はアスピリンに比較して 大腿骨近位部骨折手術後の DVT 発生率を有意に減尐させ 出血性合併症に関して有意差はなかった 2) 低分子へパリノイド ( ダナパロイド +IPC) は未分画ヘパリン +IPC 群に比較して 大腿骨近位部骨折術後の DVT/PTE 発生率に差はみられなかった 1) 大腿骨近位部骨折 251 例を Orgaran( 低分子 Heparinoid) 投与群 (125 例 ):750 anti-factor Xa units ( 0.9mL ) 皮下注 12 時間毎 アスピリン投与群 (126 例 ):100mg を1 日 2 回退院まで または14 日間連続投与し DVTの予防効果を比較検討したRCT 結果 DVT 全体の発生率は Orgaran 群 25 例 (27.8%) はアスピリン群 39 例 (44.3%) に比較して有意に減尐し 相対危険度減尐 (P=.028;95% 信頼区間 3.7% 59.7%) は37% であった 近位 DVTまたはPTEの発生率は Orgaran 6 例 (6.8%) はアスピリン群 12 例 (14.3%) に比較して有意に減尐し 相対危険度減尐 (P= 0.137; 95% 信頼区間 -30.7% 84.6%) は52% であった 出血合併症についてはOrgaran 群 2 例 (1.6%) アスピリン群 8 例 (6.4%) (P=0.10) と有意差はみられなかった DVT00490, FF ) 大腿骨近位部骨折で手術をおこなった患者 171 例を コントロール群 (IPC 使用 )71 例 ヘパリン群 (IPC+ 未分画ヘパリン : 術翌日から術後 7 日目まで 5000 単位を 12 時間ごとに皮下投与 )44 例 ダナパロイド群 (IPC+ダナパロイド: 術翌日から術後 7 日目まで 1250 抗 Xa 因子活性単位を 1 日 1 回静脈投与 )56 例の 3 群に分け DVT 発生率を比較検討した 結果 : 各群の手術までの期間はコントロール群 6.7±2.9 日 ヘパリン群 6.8±2.5 日 ダナパロイド群 ;6.3±2.6 日と有意差はなく DVT 発生率はコントロール群 71 例中 22 例 (31.0%) ヘパリン群 44 例中 4 例 (9.1%) ダナパロイド群 56 例中 3 例 (5.4%) で 薬物予防を行った 2 群で DVT 所見陽性率の有意な低下を認めたが 未分画ヘパリン群とダナパロイド群では有意差は認められなかった PTE の発生率はコントロール群 71 例中 4 例 (5.6%) ヘパリン群 44 例中 2 例 (4.5%) ダナパロイド群 56 例中 1 例 (1.8%) で有意差はなかった 年齢 受傷から手術までの期間 肺血栓塞栓症 (PTE) 所見陽性例 術前から術後 7 日目までのヘモグロビン減尐率 術後出血量で有意差は見られなかった 合併症として ヘパリン群では原因不明の消化管出血 1 例と皮下血腫 5 例を認め ダナパロイド群では高度肝硬変による創の遷延治癒が 1 例であった ) DVT00490, FF03099:Gent M, Hirsh J, Ginsberg JS, Powers PJ, Levine MN, Geerts WH, Jay RM, Leclerc J, Neemeh JA, Turpie AG: Low-molecular-weight heparinoid orgaran is more effective than aspirin in the prevention of venous 19

20 thromboembolism after surgery for hip fracture. Circulation 1996, 1 : ) : 大腿骨近位部骨折術後の静脈血栓塞栓症に対する薬物的予防法中瀬順介 ( 高岡病院 ( 厚生連 ) 整形外科 ), 毛利良彦, 鳥畠康充, 関宏恭整形 災害外科 49(8): , 種々の低分子へパリンで DVT 予防効果に差はあるか? < 解説 > 低分子ヘパリンであるエノキサパリン ( 商品名 : クレキサン ) ダルテパリン( 商品名 : フラグミン ) 及び低分子へパリノイドであるダナパロイド ( 商品名 : オルガラン ) における DVT 予防効果についての比較研究である それぞれの薬剤の特徴については前述した <Scientific statement> 1) 低分子ヘパリノイド (danaparoid) 低分子へパリン(enoxaparin dalteparin) の それぞれの薬剤の DVT 予防効果 出血性合併症については差がない 2) 低分子ヘパリノイド ( オルガラン ) 低分子ヘパリン( フラグミン クレキサン ) の それぞれの薬剤の DVT 予防効果については差がない (EV level Ib) 1) 受傷後 24 時間以内の患者で 48 時間以内に手術が施行された 162 例の股関節骨折患者を ダナパロイド群 (53 例 : 術前 750 抗 Xa 単位 X2 回術後 :750 抗 Xa 単位 X 2 回 / 日 ) エノキサパリン群 (52 例 : 術前 20mg 術後:40mg X 1 回 / 日 ) ダルテパリン群(57 例 : 術前 2500 単位 術後 :5000 単位 X 1 回 / 日 ) の3つに分け 9~11 日間投与後に静脈造影を行って DVT 発生率を比較検討した 結果 )DVT の発生はダナパロイド (3/53 例 ) エノキサパリン (8/52 例 ) ダルテパリン(5/57 例 ) であった このうち近位部血栓は それぞれ2 例 2 例 3 例であった 症候性 DVT PE はいずれも認めなかった 合併症は 4 例に認め ダルテパリンで大出血 1 例 エノキサパリンで脳梗塞が 1 例 血小板減尐を 2 例に認めた 術中出血には有意差を認めなかった DVT00797 (EV level II) 2) 24 時間以内に骨折した股関節骨折患者を対象にダナパロイド ( オルガラン )65 例 低分子ヘパリンのフラグミン 66 例 クレキサン 66 例の DVT 抑制効果を比較した 術前予防投与は手術前日まで施行し 術後は 10 日まで継続した すべての患者は静脈造影を施行した PE が症候性に疑われた場合に肺血流シンチを評価し 安全性は出血と周術期の出血を評価した 結果 )16 例に DVT が認められ オルガラン 3/53 例 (5.7%) フラグミン 5/57 例 (8.8%) クレキサン 8/52 例 (15.4%) に認められた 近位血栓はオルガラン2 例 フラグミン3 例 clexane2 例であった 症候性肺塞栓は無かった DVT00283 (EV level Ib) 1) DVT00797:Thromboprophylaxis in hip fracture surgery: a pilot study comparing danaparoid, enoxaparin and dalteparin. The TIFDED Study Group Anonymous : Haemostasis:1999(29)

21 ) DVT00283:Roise O, Nurmohamed M, Reijnders P, Touzard R, Stiekema J, Bachmann F: A multicentre, randomised, assessor-blind, pilot study comparing the efficacy in the prophylaxis of DVT and the safety of Orgaran (Org 10172), Fragmin, Clexane/Lovenox in patients undergoing surgery for a fractured hip [Abstract] Thrombosis and Haemostasis < 研究デザイン>RCT 15. 低分子へパリン予防下での症候性 VTE 発生率は? < 解説 > 予防を行ったとしても VTE 発生率を0にはできない 海外での報告で症例数がもっとも多い大腿骨近位部骨折に対する低分子ヘパリン予防下における発生率について示した これらの報告の受傷から手術までの待機期間は 24 時間以内であるため 我が国のように待機期間が長い場合は発生率が高まる可能性がある <SS> 1) 股関節骨折患者に対する DVT 予防として低分子へパリンを使用した場合の 術後 3 ヶ月以内の症候性 VTE の発生率は 1.34% 症候性 PE の発生率は 0.25% である (EV level II) 2) 大腿骨近位部骨折に対する DVT 予防として低分子へパリンを使用した場合の 術後 5 週間までの DVT の発生率は 0.6% PE と確定診断されたものは 0.2% であった (EV level II) 1) 低分子ヘパリンを用いて予防を行った 6,860 名の股関節部骨折手術患者 ( 年齢の中央値 82 歳 ) の症候性 VTE の発生率 ( 術後 3ヶ月まで ) と死亡率 ( 術後 6ヶ月まで ) について前向きに検討した多施設共同研究 (531 施設で2ヶ月間 ) 入院から手術までの期間は平均 1.0 日 (0-56 日 ) で 79.1% が 24 時間以内に手術施行された 手術法は骨接合 57.0% 人工骨頭 35.2% 人工関節 7.8% であった 低分子ヘパリンの投与期間は 尐なくとも 1 週間投与されたものが 97.4% 2 週間投与が 69.5% 4 週間投与が 56.3% であった DVT の診断は超音波法または静脈造影で確認され PE は肺シンチで疑われ肺動脈造影またはヘリカル CT により確認された 結果 術後 3ヶ月までの症候性 VTE の発生率は 1.34% であり (95%CI: ) このうち症候性 PE の発生率は 0.25% であった 術後 6ヶ月までの死亡率は 14.7% であり その原因は心血管疾患が最も多く (26.8%) 致死的 PE の発生率は 3.9% であった (EV level II) :Rosencher N. Vielpeau C. Emmerich J. Fagnani F. Samama CM. the ESCORTE group. Venous thromboembolism and mortality after hip fracture surgery: the ESCORTE study. Journal of Thrombosis & Haemostasis. 3(9): , 2005 Sep. 2) 大腿骨近位部骨折 897 例に対して Dynamic Hip Screw, Gamma Locking Nail, 21

22 Hemiarthroplasty, Total hip replacement 等の手術を施行 術前から Enoxaparin 60mg を開始し術後 5 日間投与し DVT や PE の予防効果について前向きに検討した 術後 5 日間は Enoxaparin 20mg 40mg を皮下投与し その後 40mg へ減量し 術後尐なくとも 5 週間継続した 結果 DVT の発生頻度は 0.6% PE と確定診断されたものは 0.2% であったが 死亡例はなかった (DVT01114, EV level II) DVT01114:Thaler HW, Roller RE, Greiner N, Sim E, Korninger C.Thromboprophylaxis with 60 mg enoxaparin is safe in hip trauma surgery. J Trauma.; 51(3): , Cohort study( 前向き )II 16. 低分子ヘパリンの合併症 < 解説 > 低分子へパリンの合併症として出血 ヘパリン起因性血小板減尐 (HIT) 術後の感染などが報告されている 大腿骨近位部骨折患者において 低分子へパリンの出血合併症の頻度は 2% 程度であり major bleeding はクレアチニンクリアランスが 30mL 以下の場合に発生しやすく 極めて稀ではあるがヘパリン起因性血小板減尐 (HIT) 症候群の一部として皮膚壊死が報告されている また機械的予防法と比較した場合 術後感染率が高いとする報告がみられる <Scientific statement> 1) 股関節骨折手術患者 (6,860 名 ) における低分子へパリン使用の際の出血合併症の頻度は 2.2% であり minor bleeding は1% 術後 6 ヶ月までにみられた major bleeding は 1.2% であり 0.2% が致死性出血であった major bleeding の危険因子としては クレアチニンクリアランスが 30mL より低値であった ヘパリン起因性血小板減尐 (HIT) の発生頻度は 0.17% であったが 確定診断されていない EV level II 2) 大腿骨近位部骨折手術患者 (897 例 ) における低分子へパリン使用の際の major bleeding は 4.7% であり 脳内出血による死亡が 1 例あった Ⅱ 型の HIT( ヘパリン起因性血小板減尐症 ) はみられなかった EV level II 3) 大腿骨近位部骨折手術における低分子へパリン使用群と機械的予防法施行群 ( 弾性ストッキングと術後 1 日目からの早期運動 ) の合併症について比較検討した結果 感染率 (19% VS 8%) 重症感染症発生率(8% VS 1%) であり 低分子ヘパリン投与群に有意に多かった EV level III 4) 極めて稀ではあるが 低分子ヘパリン起因性皮膚壊死の報告がある 1) 低分子ヘパリンを用いて予防を行った 6,860 名の股関節部骨折手術患者 ( 年齢の中央値 82 歳 ) の症候性 VTE の発生率 ( 術後 3ヶ月まで ) と死亡率 ( 術後 6ヶ月まで ) について前向きに検討した多施設共同研究 (531 施設 ) 入院から手術までの期間は平均 1.0 日 (0-56 日 ) で 79.1% が 24 時間以内に手術施行された 手術法は骨接合 57.0% 人工骨頭 35.2% 人工関節 7.8% であった 低分子ヘパリンの投与期間は 尐なくとも 1 週 22

23 間投与されたものが 97.4% 2 週間投与が 69.5% 4 週間投与が 56.3% であり 手術後の弾性ストッキングは 21.1% であった 出血合併症は 149 例 (2.2%) にみられた このうち minor bleeding は 68 例 (1%) にみられ 術後 6 ヶ月までにみられた major bleeding( 致死的出血 再入院 再手術を要する出血 主治医の判断 ) は 81 例 (1.2%) であり 0.2% が致死性出血であった major bleeding の危険因子としては クレアチニンクリアランスが 30mL より低値 (p<0.01) であった ヘパリン起因性血小板減尐 (HIT) は 0.17% の発生が調査者によって報告されたが 確定されていない EV level II 2) 大腿骨近位部骨折 897 例に対して Dynamic Hip Screw, Gamma Locking Nail, Hemiarthroplasty, Total hip replacement 等の手術を施行 術前から Enoxaparin 60mg を開始し術後 5 日間投与し DVT や PE の予防効果および出血合併症の発生頻度について前向きに検討した 術後 5 日間は Enoxaparin 20mg 40mg を皮下投与し その後 40mg へ減量し 術後尐なくとも 5 週間継続した 結果 )DVT の発生頻度は 0.6% PE と確定診断されたものは 0.2% であったが 死亡例はなかった 大出血は 4.7% に発症 脳内出血による死亡が 1 例あった Ⅱ 型の HIT( ヘパリン起因性血小板減尐症 ) はみられなかった (DVT01114, EV level II) 3) 大腿骨近位部骨折手術症例 205 例を A 群 :LMWH(Dalteparin sodium) 術後 7 日まで投与群 114 例 B 群 : 機械的予防法群 ( 弾性ストッキングと術後 1 日目からの早期運動 ) 91 例の2 群に分け 合併症について比較検討した 患者の平均年齢は 79.8 歳 ( 40 96) 骨折部位は大腿骨転子部骨折 47% 大腿骨頚部骨折 53% であった 手術法は DHS での骨接合が 48% 人工骨頭が 43% CCHS が 9% であった 創部の評価は ASEPSIS Score で行った 結果 A 群では 22 例 (19%) が感染をきたし 9 例 (8%) が重症感染症となった B 群では 8 例 (8%) に感染を認め 1 例 (1%) が重症感染となった 感染発症率 (p < 0.034) および重症感染発症率 (p < 0.001) ともに 低分子ヘパリン投与群に統計学的に有意に多かった EV level III 4) 低分子ヘパリン起因性皮膚壊死の 21 症例報告がある 皮膚壊死発症までの平均期間は 7.6±3.4 日間 ( 範囲 1~17 日間 ) で 初期症状として 多くは (16/21) 注射部位で浮腫および疼痛を伴う紅斑性皮下病変が出現し その後水疱へと変化した後に完全な皮膚壊死となった 低頻度 (5/21) であるが 注射部位から離れた他の領域に発現する場合もあった 壊死サイズは様々であったが 概して小さく限局性であり 最大直径は数センチメートルであった まれに皮膚壊死が >10 cm まで拡大する場合もあり 1 例では体表面積の 6% にまで及んだ ヘパリン起因性抗体が高頻度で観察された (11 報の文献中 陽性 9 報 陰性 2 報 ) しかし 重度血小板減尐症( 血小板数 <100,000 cells/ml) が発現したのは 4 例のみであり 症例の 50% では 血小板数は正常であった 組織像では 炎症反応および皮膚微小血管における血栓を伴う表皮壊死が明らかになった EV level VI 1) :Rosencher N. Vielpeau C. Emmerich J. Fagnani 23

24 F. Samama CM. the ESCORTE group. Venous thromboembolism and mortality after hip fracture surgery: the ESCORTE study. Journal of Thrombosis & Haemostasis. 3(9): , 2005 Sep. 2) DVT01114 : Thaler HW, Roller RE, Greiner N, Sim E, Korninger C.Thromboprophylaxis with 60 mg enoxaparin is safe in hip trauma surgery.j Trauma.; 51(3): , Cohort study( 前向き )II 3) :Sanchez-Ballester J. Smith M. Hassan K. Kershaw S. Elsworth CS. Jacobs L. Wound infection in the management of hip fractures: a comparison between low-molecular weight heparin and mechanical prophylaxis. Acta Orthopaedica Belgica. 71(1):55-9, 2005 Feb. retorospective case control study 4) DVT DVT :A. E. Handschin, O. Trentz, H. J. Kock, G. A. Wanner Low molecular weight heparin-induced skin necrosis: a systematic review Database of Abstracts of Reviews of Effects. Issue 3, ( オリジナルは Langenbeck Arch Surg (2005) 390: ) Fondaparinux Fondaparinux sodium( フォンダパリヌクスナトリウム ) はアンチトロンビン III(AT III) に選択的かつ特異的に結合し AT III の抗第 Xa 因子活性を増強することにより トロンビン生成を阻害し フィブリン形成を抑制する抗凝固薬である 未分画ヘパリン 低分子ヘパリンとの相違点を表 5に示す 世界的には低分子ヘパリンが広く使用されており fondaparinux は低分子へパリンに続いて開発された薬剤であるが 本邦においては低分子へパリンに先んじて認可された経緯がある 第 8 回 ACCP ガイドラインにおいて股関節骨折手術における VTE 予防薬として Grade Ia に位置づけられている しかし 本邦での骨折患者に対する予防効果についての比較研究はなく 股関節骨折に対する出血性有害事象についての治験報告のみであるため 2008 年までの和文文献を渉猟し記載した 今後 本邦においても 多くの研究報告がなされるものと思われる 17. Fondaparinux の骨折患者に対する予防効果と安全性は? <SS> 大腿骨近位部骨折に対する fondaparinux sodium 2.5mg 投与時の DVT の発生率は 21.6% であり 出血有害事象の発現はなかった EV level II 受傷から 10 日に手術を受けた高齢者 ( 平均年齢 76.6 歳 ) の股関節骨折患者 48 例に対し 24

25 て fondaparinux sodium 2.5mg を術後平均 24 時間後から1 日 1 回投与を開始し 14 日間継続した DVT の診断は投与終了後 3 日以内に下肢静脈造影を行い PTE の診断は臨床症状で疑われた場合に画像検査を行った 安全性については出血性有害事象で評価した 結果 下肢静脈造影の読影が可能であった 37 例中 DVT の発生は8 例 (21.6%:95%CI: 9.8~38.2) であった 発生率を骨折手術までの期間で比較すると 受傷から7 日未満では 15 例中 2 例 (13.3%) 7 日以上では 22 例中 6 例 (27.3%) であった PTE が疑われた症例はなかった 安全性については 出血性有害事象の発現はなかったが Fondaparinux との因果関係が否定否定されなかった有害事象は 血小板数増加 2 例 血中尿素窒素増加 1 例 血中アルカリホスフォナーゼ増加 1 例であり このうち3 例が投与を中止された 股関節骨折手術施行後の静脈血栓塞栓症の予防に対する fondaparinux sodium の有用性 ( 原著論文 / 抄録あり ) Author: 冨士武史, 藤田悟, 股関節骨折手術施行後の静脈血栓塞栓症の予防に対する fondaparinux sodium の有用性評価委員会 Source: 骨折 ( )30 巻 1 号 Page ( ) 大腿骨近位部骨折術後の静脈血栓塞栓症予防におけるフォンダパリヌクスの有用性( 原著論文 / 抄録あり ) Author: 新村和也 ( 富山県厚生農業協同組合連合会高岡病院整形外科 ), 中瀬順介, 毛利良彦, 丸箸兆延, 鳥畠康充 Source : 中部日本整形外科災害外科学会雑誌 ( )51 巻 5 号 Page ( ) 18. Fondaparinux と enoxaparin の VTE 予防効果比較 <Scientific statement> 1) 大腿骨近位部骨折患者に対して5 日間投与した場合 Fondaparinux 術後 2.5mg1 回 / 日をの皮下注は enoxaparin 40mg1 回 / 日皮下注に比較して 術後 11 日までの VTE を有意に減尐させる また術後 6 週間までの出血合併症は両群ともにみられなかった 1) 大腿骨近位部骨折に対する VTE 予防効果について fondaparinux 群 ( 術後 2.5mg1 回 / 日を皮下注 ) と enoxaparin 群 ( 術前から 40mg1 回 / 日皮下注 ) を比較した二重盲検 RCT 投与期間は最低 5 日間 アウトカムは術後 11 日までの VTE DVT の診断は静脈造影で確認し 症候性 DVT PTE を呈したものも含む 安全性についてのアウトカムは 全ての原因による major bleeding および死亡の有無を術後 6 週間まで検討した 結果 術後 11 日までの VTE の発生率は fondaparinux 群 8.3%( 52/626) enoxaparin 群 19.1%(119/624) であり 有意差 (p<0.001) をもって減尐した Fondaparinux 群の減尐率は 56.4%(95% 信頼区間 ) であり 両群間に臨床的に問題となる出血や死亡はみられなかった EV level IB 25

26 Eriksson BI, Bauer KA, Lassen MR, et al. Fondaparinux compared with enoxaparin for the prevention of venous thromboembolism after hip-fracture surgery. N Engl J Med 2001; 345: 最後に 我が国での VTE 予防に関する今後の新薬開発状況や適応症の拡大について 我々が知りうる範囲につき表 6にまとめた 26

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