院外処方箋の検査値活用法につ??

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を用いる必要があります Du Bois の式を用いて体表面積を計算すると 3) BSA(m 2 )= 体重 (kg) 身長 (cm) =1.27m 2 となり 173.6mL/min/1.73m 2 を 1.27m 2 である患者個人の腎機能に換算 ( で補正

腎機能を有効かつ安全な薬物療法に活かす

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,995,972 6,992,875 1,158 4,383,372 4,380,511 2,612,600 2,612, ,433,188 3,330, ,880,573 2,779, , ,

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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添付文書の薬物動態情報 ~基本となる3つの薬物動態パラメータを理解する~

2 CKD 1. 不適当な食事 2. 感染症 : 尿路感染, 肺炎, 敗血症など 3. 急激な循環状態の変動 : 高血圧, 低血圧 4. 水 電解質異常 : 脱水, 溢水, アシドーシス 5. 尿路疾患 : 尿路結石 狭窄 感染 6. 腎毒性薬剤 : 造影剤, 抗生物質,NSAIDs 7. 手術およ

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日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

Transcription:

院外処方箋の検査値活用法について ~ 腎機能編 ~ 姫路医療センター薬剤部木原理絵

そもそも なぜ処方監査に検査値を確認する必要がある?

発売後半年で 23 名が出血死 死亡例のほとんどは重度の腎機能障害患者だった

添付文書に警告 禁忌の記載がある医薬品の例 ( 抗がん剤 免疫抑制剤は除く ) 腎機能 血清 Cr, BUN, egfr メトグルコ アクトス プラザキサ イグザレルト エリキュース リクシアナ NSAIDS ベネット セララ ザイザル マクロゴール リーマス ベザトール 肝機能 AST, ALT, γ ー GTP ユリノーム ベシケア ブイフェンド チクロピジン ラミシール スタチン ( プラバスタチン以外 ) 白血球 好中球 血小板 WBC, Neut, RBC, Hb, Plt メルカゾール チクロピジン ラミシール 電解質 Na, K サムスカ ループ利尿剤 サイアザイド系利尿剤 糖尿病 HbA1c セロクエル ジプレキサ エビリファイ

院外処方箋への検査値表記の目的 検査値に基づき 患者の状態を把握した上で処方監査を行う 個々の患者に対する適切な薬物治療への貢献 禁忌の回避 過量投与防止 副作用の防止 早期発見

本日の内容 腎機能を利用した処方監査 腎機能の評価 薬物投与設計 疑義照会

腎機能の評価 Scr

薬物の腎排泄量 = 糸球体ろ過量 (GFR)+ 尿細管分泌量 - 尿細管再吸収量 毛細血管 糸球体 尿細管 ろ過 分泌 一般的に最も主要な因子は GFR であり 患者個々の GFR を評価する必要がある 再吸収

GFR 測定法 : イヌリンクリアランスとクレアチニンクリアランス イヌリン 糸球体で 100% ろ過 尿細管で分泌されない 尿細管で再吸収されない Cin 正常値 100ml/min GFR GFR に最も近い値だが 測定が煩雑なため ほとんど使用されない クレアチニン 糸球体で 100% ろ過 尿細管でわずかに分泌される 尿細管で再吸収されない CCr 正常値 120~130ml/min GFR 測定が簡便なため頻用されているが GFR の正常値より 2~3 割高い

血清 Cr 測定法 : 酵素法 ( 日本 ) と Jaffe 法 ( 欧米 ) の違い Jaffe 法 + アルカリ性 ピクリン酸ークレアチニン ( 赤色 ) クレアチニン ピクリン酸 CRE に特異的な反応ではなく 活性メチレン基を含む物質とも反応 ピルビン酸 アスコルビン酸 アセトン Jaffe 法は酵素法に比べて血清 Cr が 0.2mg/dL 高く測定される

Jaffe 法と酵素法による実測 Ccr 実測 CCr = 尿中 Cr 尿量 / 血清 Cr 健康男子の実測 Ccr で比較した場合 酵素法 ( 日本 ) Ccr = 80 mg 1.5L/ 日 1.0mg/dL = 120ml/min 尿細管分泌によって GFR より 2 割高め Jaffe 法 ( 欧米 ) Ccr = 80mg 1.5L/ 日 1.0mg/dL + 0.2 Jaffe 法では血清 Cr 値が 0.2 高く測定される = 100ml/min GFR

添付文書の腎機能表記についての問題 現在の添付文書では Ccr 別の投与基準が収載されているが医薬品の治験はほとんど欧米で行われており 血清 Cr 値は Jaffe 法によって測定されている 添付文書の Ccr(Jaffe 法 ) 日本の Ccr( 酵素法 ) 添付文書の Ccr(Jaffe 法 ) GFR 最近の日本での治験データは酵素法で測定されているため除く

血清 Cr を基にした 腎機能推算式の違い

1 Cockcroft & Gault 式による eccr(ml/min) eccr (ml/min ) = (140 ー年齢 ) 体重 0.85( 女性 )/ (72 血清 Cr) 身長が入っておらず 患者の体格が考慮されていない 体重が 2 倍になると 腎機能も 2 倍に推算されてしまう 肥満患者では補正体重または理想体重を代入する 薬物投与設計には血清 Cr に ( 血清 Cr+0.2) を代入する

2 体表面積補正 egfr(ml/min/1.73m 2 ) 院外処方箋に表記されています egfr (ml/min/1.73m 2 )=194 Cr -1.094 Age -0.287 0.739( 女性 ) 患者の体格を標準体格 1.73m 2 ( 例 : 身長 170cm 63 kg ) で考えた場合の推算式 患者自身の体格を考慮していないので薬物投与設計には使用しない 腎機能の診断用に利用

GFR 区分による CKD( 慢性腎臓病 ) の重症度 Stage GFR 区分 (ml/min/1.73 m2 ) G1 正常または高値 90 G2 正常または軽度低下 60~89 G3a 軽度 ~ 中等度低下 45~59 G3b 中等度 ~ 高度低下 30~44 G4 高度低下 15~29 G5 末期腎不全 <15

なぜ腎機能の診断には体表面積補正 GFR を用いるの? ボディービルダーの A さん 33 歳 男性身長 195cm 体重 140 kg血清 Cr:1.0mg/dL 歌手の B さん 30 歳 女性身長 145cm 体重 42 kg血清 Cr:0.7mg/dL 71 110 egfr 補正値 (ml/min/1.73 m2 ) 標準体格で補正した腎機能 egfr 未補正値 (ml/min) 患者さん自身の腎機能 78 59 Q. 歌手の B さんは egfr 未補正値 <60ml/min のため CKD でしょうか? B さんは小柄な体格なりの小さな GFR で十分であり 病気というわけではない 但し薬物の腎排泄能は低いので 体が小さい分腎排泄型薬剤の投与量は減量する必要がある

3 体表面積未補正 egfr(ml/min) egfr(ml/min)=egfr(ml/min/1.73m 2 ) { BSA/1.73m 2 } BSA(m 2 )= 体重 (kg) 0.425 身長 (cm) 0.725 0.007184 患者の体格が考慮されているためそのまま薬物投与設計に使用可

実際に 腎機能推算式を 処方監査にどう活かすか?

どのような患者に腎機能の計算が必要? 全例での計算は不要 計算が必要な患者 腎機能で用量調節が必要な薬を服用 特にハイリスク薬 血清 Cr が基準値外 高齢者 体格が小さいなど

薬物投与設計時の腎機能推算式はどれを使うべき? egfr(ml/min) 一般的な患者では正確性が高い CG 式によるeCCr(ml/min) 血清 Crに患者の ( 血清 Cr+0.2) を代入して求めた推算 CCrを使う注意 : 肥満患者の場合は 標準または理想体重を代入 egfr(ml/min/1.73m 2 ) 院外処方箋に表記されている 腎機能の診断用であり 薬物投与設計には使用しない

痩せた高齢者に注意 高齢者で筋肉が落ちていると 血清 Cr 値が低値を示す 血清 Cr 値が 0.6 未満の場合は 0.6 を代入して計算すると 予測性が高くなる egfr は 高齢の痩せた患者では過大評価しやすい このような場合 eccr の方が正確性が高くなることがある

簡単に腎機能を計算する方法は? 日本腎臓病薬物療法学会 HPより

身長 体重 血清 Cr などの必要事項を入力 自動で腎機能推算値が表示される 理想体重も!

腎機能に注意が必要な薬剤を確認するには? 添付文書の禁忌や腎機能別投与量を確認 添付文書の腎機能表記について GFR または Ccr(ml/min) 30~59: 中等度腎障害 30 未満 : 高度または重篤な腎障害とされていることが多い

腎機能に注意が必要な薬剤を確認するには? 日本腎臓病薬物療法学会腎機能別薬剤投与量一覧具体的な減量基準または禁忌が記載されている 腎機能に応じた投与戦略医学書院 腎臓病薬物療法専門 認定薬剤師テキストじほう 腎機能別薬剤投与量じほう

腎機能障害患者に対する 薬物投与設計と疑義照会

CASE 1 72 歳女性 身体所見 身長 155cm 体重 45 kg 足腰の痛みに継続処方 Rp ロキソニン錠 60 mg 3 錠分 3 毎食後 項目 基準範囲 結果 血清 Cr 0.6 ~ 1.1 mg/dl 1.3 egfr ~ 60 ml/min/1.73m2 31.5

ロキソニン錠の添付文書 ガイドライン 添付文書 日本腎臓病薬物療法学会腎機能別薬剤投与量一覧 禁忌 重篤な腎障害のある患者 ( 急性腎不全 ネフローゼ症候群などの副作用を発現することがある ) GFR または Ccr<30ml/min 腎障害を悪化させるおそれがあるため重篤な腎障害には禁忌 NSAIDs は全般的に重篤な腎障害に禁忌 アセトアミノフェンも重篤な腎障害に禁忌だが NSAIDs のような腎虚血作用がなく 単独での腎障害は稀との報告もある おそらく NSAIDs より安全性が高い

腎機能推算値を計算 日本腎臓病薬物療法学会 HP より

疑義照会 ロキソニンが処方されていますが腎機能が良くないです どうしましょうか? 初回投与? 継続投与? 腎機能はどれくらい? 症状は今どうなの? 〇 ロキソニンが 3T 分 3 継続で処方されていますが今日の検査結果から GFR を計算すると約 25m/min でした 添付文書で重篤な腎障害に禁忌 ガイドラインでは GFR<30ml/min で禁忌となっています 本人に聞いたら しばらく歩いたら痛いくらいとのことでした 時々飲むのをとばしていたようです 頓服か アセトアミノフェンへの変更はいかがでしょうか?

CASE 2 55 歳男性 身体所見 身長 :165cm 体重 80 kg 神経障害性疼痛に初回処方 Rp リリカ OD 錠 75 mg 1 錠分 1 朝食後 項目基準範囲結果 血清 Cr 0.6 ~ 1.1 mg/dl 2.3 egfr ~ 60 ml/min/1.73 m2 24.7

リリカ OD 錠の添付文書 ガイドライン情報を確認 添付文書 日本腎臓病薬物療法学会腎機能別薬剤投与量一覧 Ccr(ml/min) 別の初回用量 60:75 mg 1 日 2 回 60>CCr 30:25 mg 1 日 3 回又は 75mg1 日 1 回 30>Ccr 15:25 mg 1 日 1 回もしくは 2 回 又は 50 mg 1 回 <15:25 mg 1 日 1 回 CCr まはた GFR(ml/min) 別の初回用量 30~59:75 mg分 1~3 15~29:25~50 mg分 1~2 <15:25 mg分 1

腎機能推算値を計算 日本腎臓病薬物療法学会 HP より 肥満があるため CG 式による Ccr(ml/min) では過大評価してしまう

疑義照会 B さんの処方について リリカがが 75 mg分 1 で開始されていますが 今日の検査結果から GFR を計算すると約 27m/min でした この腎機能だと 添付文書やガイドラインでは 初回用量として 25~50 mg分 1~2 での投与が推奨されていますが 減量はいかがでしょうか?

疑義照会のポイント 添付文書やガイドラインなどに基づいて問い合わせを行う 患者さんの症状 訴えも含めて 代替案を提示するなど具体的な内容を伝える

微妙な症例をどのように考えるか 例えば GFR30ml/min 未満に禁忌の薬剤であった場合 患者さんの GFR が 31ml/min であれば投与可能と判断して良いのでしょうか? ハイリスク薬か? ( 例 )DOAC 糖尿病薬など ハイリスク患者か? 高齢者 体格が小さい 初回処方か継続処方か? 初回処方に注意 短期処方か長期処方か? 長期処方に注意 副作用の兆候がないか? 他に提案できる薬がないか? ( 例 ) アロプリノール フェブリク

薬剤師に求められること 検査値が処方箋に表記されることで検査値に関連する疑義照会が可能に 薬剤師は 検査値と患者さんの病態 薬物療法との関連性を十分に理解する必要がある