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製薬企業における薬物動態 臨床薬理領域での解析及びデータ形式に係る調査結果報告 1

本調査の実施背景 目的 背景 承認申請データの電子的提出に向けた制度面又は技術面での課題について 昨年より審査 WG SWG で検討中 本年度前半には承認申請時の電子データ提出に関する基本通知 その後実務通知が発出される予定 目的 今後発出予定の実務通知に盛り込むべき内容等の検討に際し 以下の事項に関し把握する 製薬企業における薬物動態 臨床薬理領域のデータ解析及びデータ形式の実態 米国 FDA へ提出される薬物動態 臨床薬理領域の電子データに関する情報 2

調査の実施について 調査形式 :WEBによるアンケート形式 調査対象 :JPMA EFPIA PhRMA 各団体加盟企業 調査内容の概略 : 1. 製薬企業における当該領域のデータ解析及びデータ形式について 2. 米国 FDAへの電子データ提出形式について 3. 生理学的薬物速度論 (PBPK) モデル解析 4. その他 実施期間 :2014 年 4 月 2 日 ~4 月 28 日 アンケート回答数 : 国内製薬企業計 47 社 ( 内資 36 社 外資 11 社 ) * なお JPMA 御協力の下 本調査を実施した 3

1. 製薬企業における解析及びデータ形式について 1.1 薬物動態や薬力学を評価項目として含む臨床試験における PK 或いは PK/PD 解析について 1-1 (1): 被験者別 PK/PD パラメータ推定に使用した PK 或いは PK/PD 解析 ( 母集団解析を除く ) に利用している解析ソフトウエア PK 解析ソフトウエア N* 解析用データセットの形式 N* Phoenix WinNonlin 38 WinNonlin 専用 pwo 形式 22 csv 形式 8 xpt 形式 7 xls 形式 6 sas7bdat 1 形式不明 1 SAS 7 xpt 形式 6 txt csv xls 形式 1 その他 ** 7 csv 形式 5 csv 以外の形式 3 * アンケート回答企業数 :47 社 ( 複数回答含む ) ** その他 :NONMEM Phoenix NLME S-PLUS 自社オリジナル etc. 4

1-1 (2): 総括報告書中の帳票 (Table, Listing & Graph) 作成 (PK パラメータ等の要約統計 回帰分析 仮説検定を含む ) 用の統計解析に利用している解析ソフトウエア及び解析用データセットの形式 帳票作成用解析ソフトウエア N * 解析用データセットの形式 N * SAS 38 SAS 形式 38 Excel 7 SAS 形式 4 csv 形式 2 xls 形式 5 その他 ** 9 csv 形式など 10 総括報告書に含めた経験なし 1 * アンケート回答企業数 :47 社 ( 複数回答含む ) なお なし との回答 3 社 無回答 1 社 ** その他 :S-PLUS EXSUS gnuplot R Sigma plot WinNonlin 5

1-1.(3): 解析過程における CDISC 標準のデータセットを利用又は作成した経験 17 社 (36.2%) 利用又は作成経験あり 30 社 (63.8%) 利用又は作成経験なし * アンケート回答企業数 :47 社 ( 外資系企業本社における利用又は作成経験も含まれる ) 6

1-2. 薬物動態や薬力学を評価項目として含む臨床試験データを対象とした母集団 PK/PD 解析 ( 複数試験の PPK-PD 併合解析 Exposure-Response 解析を含む ) について 1-2. (1): 臨床 PK/PD 解析に基づく Modeling & Simulation に利用しているソフトウエア及び解析用データセットの形式 母集団解析ソフトウエア N* 解析用データセットの形式 N* NONMEM 29 csv 形式 29 SAS 5 csv 形式 4 SAS 形式 3 txt 形式 2 Phoenix NLME 3 csv 形式 2 PsN/Xpose 6 pwo 形式 1 S-PLUS/R 5 csv 形式 4 PDx-POP 3 csv 形式 3 その他 ** 3 * アンケート回答企業数 :47 社 ( 複数回答含む ) なお なし との回答 14 社 無回答 2 社 不明 1 社 ** その他 :Pirana WFN etc. 7

1-2.(2): 解析過程における CDISC 標準のデータセットを利用又は作成した経験 1 社 (2.1%) 6 社 (12.8%) 利用又は作成経験あり利用又は作成経験なし無回答 40 社 (85.1%) * アンケート回答企業数 :47 社 ( 外資系企業本社における利用又は作成経験も含まれる ) 8

1-2.(3): 医薬品開発の意思決定時における母集団 PK/PD 解析及び M&S 結果利用 利用目的 用量調節の参考情報 ( 小児用量設定も含む ) 投与間隔の妥当性 試験の必要性検討 試験デザイン決定 ラベリング 6 Special Population や影響因子の探索 1 マルチリスクファクターを持つ場合の曝露量の推定 1 添付文書の用法用量に関するサポート 1 薬物相互作用の有無 1 社内での方針決定 POC EPIIA meeting 時など 1 * アンケート回答企業数 :24 社 * アンケート回答企業数 :10 社 N 13 利用頻度 N 1-3 件 / 年 / 解析者 1 2-3 化合物 / 年 1 年数件 3 あまりない 2 解析目的等による 3 疾患領域 領域によらずほぼ全ての試験 ( 或いは必要に応じて ) 実施 以下 詳細な記載のあった領域 感染症 中枢神経疾患 代謝性疾患 * アンケート回答企業数 :24 社 N 12 解析部門 臨床薬理 16 生物統計部門と動態研究部門 臨床試験データ解析担当が兼任 * アンケート回答企業数 :24 社 無回答 6 N 1 1 腎性貧血 9

2. 米国 FDA への電子データ提出形式について 2-1. 薬物動態や薬力学を評価項目として含む臨床試験における PK 或いは PK/PD 解析について 2-1. (1): 米国 FDA への標準的な薬物動態 臨床薬理試験毎の PK 或いは PK/PD 解析のデータセット及び解析プログラムの提出経験 9 社 (19.1%) 38 社 (80.9%) 標準的な PK 解析データ提出経験あり 標準的な PK 解析データ提出経験なし * アンケート回答企業数 :47 社 10

2-1. (1): 米国 FDA へ提出した経験がある場合 提出した試験の種類 データセットの形式 解析プログラム ( ソフトウエア ) 提出先 (CDER, CBER の別 ) 等 試験の種類データセットの形式解析ソフトウエア提出先 複数の臨床薬理試験 xpt 形式 WinNONLIN SAS など ( 無記載 ) PK/PD 解析 xpt 形式 NONMEM ( 無記載 ) Japan P1 All of CP studies globally conducted CDISC base No information CDER / CBER P1 TQTc Study xpt 形式 SAS CDER Standard PK/PD trial xpt 形式 SAS CDER 試験の種類は問わない ( すべての血漿中濃度データを提出 ) 臨床薬理試験 (NCA による PK パラメータも それとは別のデータセットで提出 ) 全てのタイプ ( P1-4 臨床薬理関連など ) xpt 形式 通常 xpt 形式 実際に解析に使った形式でも提出する場合あり 解析プログラムの提出は求められなかったので提出していない NONMEM SAS R S-PLUS WinBugs Openbugs 自社オリジナルソフトウエア 複数試験の統合解析 SAS transport files Phoenix SAS FDA 早期の BA 試験 BE 試験 DDI 試験や剤型変更に伴う試験 用量設定試験 P2 ピボタル試験 (PK や PK/PD に基づく用量設定 ) P3 ピボタル試験 (PK/PD による有効性との相関の検討 ) など CDER CDER / CBER SAS transport files WinNonlin NONMEM S-PLUS CDER / CBER * アンケート回答企業数 :8 社 ( 複数回答含む ) なお 無回答 1 社 11

2-1.(2): 米国 FDA への提出後の解析結果に基づく議論 検討の経験 N 照会事項において 新たなドラフトガイドラインに基づいた再集計指示 1 照会事項において 内容確認や未提出のデータや解析ファイルのリクエスト 1 照会事項はあったが 特に議論なし 1 第 Ⅱ 相後面談時 申請前相談時において議論あり ( 内容の詳細不明 ) 1 * 上記アンケート回答企業数 :4 社 なお なし との回答 3 社 無回答 2 社 12

2-2. 薬物動態や薬力学を評価項目として含む臨床試験データを対象とした母集団 PK/PD 解析 ( 複数試験の PPK-PD 併合解析 Exposure-Response 解析を含む ) について 2-2. (1): 米国 FDA への薬物動態や薬力学を評価項目として含む臨床試験データを対象とした母集団 PK/PD 解析 ( 複数試験の PPK-PD 併合解析 Exposure-Response 解析を含む ) に基づく Modeling & Simulation のデータセット及び解析プログラムの提出経験 10 社 (21.3%) 38 社 (78.7%) 母集団解析データ提出経験あり 母集団解析データ提出経験なし * アンケート回答企業数 :47 社 13

2-2. (1): 米国 FDA へ提出した経験がある場合 提出した試験の種類 データセットの形式 解析プログラム ( ソフトウエア ) 提出先 (CDER, CBER の別 ) 等 試験の種類データセットの形式解析ソフトウエア提出先 総合母集団薬物動態解析 xpt 形式 NONMEM ( 無記載 ) Oncology/Immunology P2 / 3 studies xpt 形式 NONMEM ( 無記載 ) 利用できるデータは全て利用 複数試験の統合解析 csv 形式 xpt 形式 Table files NONMEM R S-PLUS SAS P3 study csv 形式 xpt 形式 NONMEM R Xpose PsN CDER snda 申請のためのメタ PK 解析 csv 形式 NONMEM CDER 国内用量設定試験 (PK トラフスクリーニング ) 試験の種類は問わない ( すべての血漿中濃度データを提出 ) すべての相及びタイプの試験 FDA xpt 形式 NONMEM CDER csv 形式 通常 xpt 形式 実際に解析に使った形式 (csv 形式 ) でも提出する場合あり ( 解析プログラムの提出は求められなかったため 提出せず ) NONMEM R S-PLUS SAS etc. FDA / CDER 後期臨床試験 xpt 形式 NONMEM ( 無記載 ) P2 study( 用量設定 ) P3 study( 有効性についての PK / PD) NONMEM による解析ファイルは csv 形式を SAS transport format(xpt 形式 ) に変換 CDER NONMEM S-PLUS CBER CDER Health Canada * アンケート回答企業数 :10 社 14

2-2.(2): 米国 FDA への提出後の解析結果に基づく議論 検討の経験 推奨用量設定について 1 照会事項において 解析方法についての確認 1 提出したモデル解析結果を用いて 米国 FDA でシミュレーションが実施され その結果に基づき TDM を実施するようリクエスト FDA より package insert 改訂案の提示はあったが 特に議論なし 1 照会事項はあったが 特に議論なし 1 FDA 内で NONMEM データセットから作成される SAS データセットについて データセットのカラムの順番調整等 FDA 側での追加操作が不要 NONMEM データセットを提出するようリクエスト N 1 1 * アンケート回答企業数 :6 社 なお なし との回答 1 社 無回答 3 社 15

3. 生理学的薬物速度論 (PBPK) モデル解析 3-1. PBPK モデルの利用経験 3-1.(1) (2) (3): 医薬品開発における生理学的薬物速度論 (PBPK) モデル解析の利用状況 18 社 29 社 (38.3%) (61.7%) PBPK モデル利用経験あり PBPK モデル利用経験なし * アンケート回答企業数 :47 社 会社数 SimCYP GastroPlus PK-Sim その他 0 * アンケート回答企業数 :18 社 (PBPKモデル利用経験ありと回答した企業) 16

4. その他 : 今後 申請データを電子的に提出するにあたって 特に薬物動態 臨床薬理領域において 解決すべき課題 懸念点 申請時データの取り扱いに係る行政通知に含めるべき事項 (1/2) PPK 解析の電子データ提出では コントロールファイル モデル構築時のモデル フルモデル 最終モデルこれら全てのモデルの提出が必要か また キーとなるモデルの DS コントロールファイル output が提出対象となる場合 キーとなるモデルは規定されるのか 又は解析者の判断でキーとなるモデルを決めてよいとなるのか Dynamic model で in vivo DDI 試験の実施判断 ( 意思決定 ) をした場合 どのような資料を提出すれば PMDA に受け入れられるのか NONMEM や SAS のバージョンが違うことでデータセットの構造が変わり 解析が実行できない場合がある また 実行できても得られる計算結果は完全に一致しない場合があることに留意してほしい ソフトウェアのアップグレードに伴って解析環境が変化することがあり その場合には過去の解析結果を再現できないことも考えられる PMDA が解析を実施する際に 他の規制当局 (FDA や EMEA) との連携はどうするのか 臨床薬理領域における電子データ提出は 上記の FDA との事例でも見られるように 構築されたモデルの妥当性 導かれる結論の頑強性 追加 併合 特殊集団での解析などを 両者が同じデータやモデルベースで議論し 適切な審査に活用していただくことに主眼が置かれるべきである 解析データの信頼性保証といった QC 的確認に終わるようなことは 趣旨から外れることを確認したい * アンケート回答企業数 :8 社 ( 複数回答含む ) なお なし との回答 25 社 無回答 14 社 17

4. その他 : 今後 申請データを電子的に提出するにあたって 特に薬物動態 臨床薬理領域において 解決すべき課題 懸念点 申請時データの取り扱いに係る行政通知に含めるべき事項 (2/2) SDTM-PP は他の SDTM データから直接に導出できず SDTM に含まれない解析採否 投与後実経過時間の情報を含めて初めて再現可能となる その際の PC ドメインのデータセットについては上記に関する変数を含んだ ADaM 形式としても提出が必要か 複数の試験を統合してモデルによる解析を実施したとき ソフトウェアの標準入出力は CDISC 標準と異なる構造となっているが どこまで CDISC 標準に合わせる必要があるか 各試験の CSR で PK パラメータを示した (SDTM-PP を作成した ) 後で CTD 検討時に別途当該試験の PK パラメータを追加算出した場合 どのような形でこれらのパラメータのデータセットを提出すべきか 日本だけのために企業に負担をかけるようなリクエストはしないでほしい 海外で求められているレベルの要求であれば対応可能である 母集団解析用 DS の標準化 SimCYP のファイルを提出する際の適切な方法など ガイダンスがあれば教えてほしい * アンケート回答企業数 :8 社 ( 複数回答含む ) なお 特になし 25 社 無回答 14 社 18