第 39 回神奈川腎炎研究会 膜性増殖性糸球体腎炎に糸球体および細動脈 内皮細胞障害を伴った一例 牧 橋 守 小 野 本 屋 林 武 志1 ヒロコ 1 利 佳1 豊1 和 岸 坂 重 達 彦1 由美子 1 本 尚 登1 松 秀 一2 田 羽 長 鎌 村 場 田 素 貢 子1 泰1 壽1 血圧は 16

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72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m

59 20 : 50 : : : : : 2 / :20 / 25 GTP /28 5/3 5/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3 :78 / :156/78mmHg 1

/12/28 UP 3+, TP 4.2g/dl, Alb 1.9g/dl PSL 50mg/day 1/17 PSL 45mg/day PSL 2006/4/4 PSL 30mg/day mpsl mpsl1000mg 3 2 5/ :90 / :114/64 mmhg

1996 papilloma virus 2001 Bowen AIHA PSL1mg/kg BMA PRCA parvovirus B19 PVB19 DNA PCR PV IgM 4 PVB19 PRCA MAP PVB19 DNA DNA PR

WBC 5700 / l Gran 58.5% Lym 29.0% Eosin 0.3% RBC 499x10 6 / l Hb 14.8 g/dl Hct 44.40% PLT 15.3x10 3 / l PT 157% Fbg 616 mg/dl DD 0.99 g/ml GOT GPT LDH

九州支部卒後研修会症例

血糖高いのは朝食後のため検査項目 下限値上限値 単位名称 9 月 3 日 9 月 6 日 9 月 15 日 9 月 18 日 9 月 21 日 9 月 24 日 9 月 28 日 10 月 1 日 10 月 3 日 10 月 5 日 10 月 9 日 10 月 12 日 10 月 15 日 10 月

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

第 58 回神奈川腎炎研究会 血清 CRP 0.03 mg/dl IgG 488 mg/dl IgA 195 mg/dl IgM 164 mg/dl C3 121 mg/dl CH /ml ASO 51 入院時検査所見 2 RF 8.2 IU/mL 抗核抗体 陰性 HBsAg 0.1

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人間ドック結果報告書 1/5 ページ 所属 : 株式会社 ケンコウタロウ健康太郎 様 性別 / 年齢 男性 / 49 歳 生年月日 昭和 40 年 3 月 17 日 受診日 平成 26 年 5 月 2 日 受診コース 人間ドック ( 胃カメラ ) 問診項目 今回前回前々回平成 26 年 5 月 2

1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

腎炎症例研究 27 巻 2010 年 図 2 図 3 入院時検査所見 尿検査 PH 5.0 比重 蛋白 (3+) 潜血 (3+) 糖 (-) ケトン (-) 白血球 (1+) 白血球 /HF 赤血球 /HF 硝子円柱 2+ 顆粒円柱 1+ 細菌 1+ 尿中 β2m

第 60 回神奈川腎炎研究会 低補体血症が持続する膜性増殖性糸球体腎炎 3 型の小児の 1 例 1 丸山真理 1 齋藤陽 1 小林久志 2 小池淳樹 1 村田俊輔 3 生駒雅昭 はじめに小児の膜性増殖性糸球体腎炎 ( 以下, MPGN) は一般に予後良好とされているがその多くは 1 型と考えられてい

第 52 回神奈川腎炎研究会 特異な細動脈病変を呈したループス腎炎の 1 例 鎌田真理子 佐野 隆 酒井健史 古谷昌子 根本千香子 渡会梨紗子 青山雅則 中野素子 内田満美子 坂本尚登 鎌田貢壽 症例症例 :32 歳男性主訴 : 手足のむくみ現病歴 : 平成 21 年 4 月初旬に咽頭痛を自覚し近医

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第 54 回神奈川腎炎研究会 図 1 図 4 図 2 図 5 図 3 図 6 101

第 59 回神奈川腎炎研究会 入院時身体所見 血算 WBC RBC Hb Ht Plt Cl Ca IP AST ALT LDH ALP CRP Glu TG Tchol LDL-C /μl /μl g/dl % /μl 血液ガス 静脈

腎炎症例研究 27 巻 2011 年 図 1 図 2 入院時検査所見 (2008 年 8 月 ) 尿所見 比重 ph 6.0 蛋白 3+ 潜血 3+ RBC >51 /HPF 顆粒円柱 1-3 /WF 蝋様円柱 1-3 /WF 赤血球円柱 1-3 /WF 尿蛋白 /Cr 比 4.5 g/

2 章 +αの 情 報 に 着 目 する! 1 血 球 算 定 検 査 結 果 2 生 化 学 検 査 結 果 手 がかりに 乏 しいのも+α 1 症 例 をみてみよう! 1 60 吉 見 祐 輔 percutaneous coronary intervention PCI

腎炎症例研究 27 巻 2011 年 診断と治療に苦慮した C 型肝炎合併のネフローゼ症候群の一例 和 田幸寛 武重由依 竹島亜希子 吉 田典世 伊藤英利 緒方浩顕 衣 笠えり子 症例症例 :46 歳男性主訴 : 呼吸苦と全身浮腫現病歴 :1994 年に C 型肝炎ウイルス (HCV) による慢性肝


2.7.6 MJR a MRI CT b 2 Beecham r-afs mg/ mg/ Gn-RH 742

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2010 年 6 月 25 表 身体所見 134 cm 31 kg /60 mmhg 83/ ,

日本呼吸器学会雑誌第48巻第6号

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腎炎症例研究 27 巻 200 年 図 図 2 血液検査 < 血算 > WBC 3500 /μl Neu 62 % Eo 4 % Baso % Mono 7.5 % Lym 25 % RBC 296 /μl Hb 0. g/dl MCV 03.4 Fl MCHC 33 % Plt 5000 / μl

生化学検査 臨床検査基準値一覧 近畿大学病院 (1) 検査項目 基準値 単位 検査項目 基準値 単位 CRP mg/dl WBC /μl Na mmol/l M RBC K mmol/l F 3.86-

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当院の血液検査室の概要 血液検査 system 自動血球分析装置塗抹標本作製装置 La-vietal LS (Sysmex 社 ) XN-3000 (Sysmex 社 ) XN 台 ( RET WPC PLT-F の各チャンネル ) XN 台 SP-10 (Sysmex

腎炎症例研究 27 巻 2011 年 図 5 HE 染色 図 8 図 6 図 9 IgM 図 7 図 10 C4 52

腎炎症例研究 33 巻 2017 年 Tac3mg (12時間トラフ3 7ng/ml) (mg/dl) mpsl PSL40mg (g/dl) 0.5g (g/gcr) HbA1c 8.0 蛍光顕微鏡所見 LDL-apheresis計12回施行 治療経過 PSL40mg PSL20mg PSL5mg

スイスイ検診ってなに?? 20 歳以上の方で ご自分の身体について ふと思う事はありませんか? たとえば 健康について気になるけど健康診断 人間ドックを受けていない! 病院で診察を受けるまでもないけど ちょっと気になる! 健康管理に気をつけているから大丈夫だと思うけど 検査の数値が気になる! 主人は

第 64 回神奈川腎炎研究会 液検査所 症例49歳男性 算 現病歴 7年前から糖尿病 糖尿病性網膜症 圧を指摘され 近医 で内服加療を受けていた 3か 前から下肢の浮腫を 覚し 徐々に全 の浮腫が増悪し たため当院受診した 体重は浮腫発症前は95kgであったが 123kgに増加していた 1か 前は尿

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(1) ) ) (2) (3) (4) (5) (1) (2) b (3)..

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日本呼吸器学会雑誌第44巻第10号

非 心 臓 手 術 の 術 前 心 精 査 1) 非 心 臓 手 術 死 亡 の30-60%は 心 合 併 症 2) 高 齢 化 社 会 に 伴 い 心 疾 患 をもつ 患 者 の 非 心 臓 手 術 を 受 ける 機 会 が 増 加 術 前 心 精 査 を 担 当 する 循 環 器 内 科 の 役

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ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor


佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

腎炎症例研究 32 巻 2016 年 検査所見 初診時 生化学 血算 WBC Hb Ht Plt 9300 (/μl) 16.8 (g/dl) 47.5 (%) (/μl) TP Alb Na K Cl㻌 㻌㻌 BUN 㻌 㻌 Cr 㻌㻌 UA GOT 㻌 㻌 GPT 㻌 㻌 TG T

腎炎症例研究 29 巻 2013 年 入院時血液, 尿検査所見 ( 生化学 ) BS 98 mg/dl T-Bil 0.5 mg/dl AST 23 IU/l ALT 7 IU/l LDH 251 IU/l ALP 115 IU/l TP 6.0 g/dl ALB 2.5 g/dl T-cho 33

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4



387 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

腎検体の標本作製と染色

第 54 回神奈川腎炎研究会 図 3 図 4 検査所見 Urinalysis Prot (+) O.B (-) Sugar (-) 尿中 β 2 MG 1440 μg/l NAG 6.4 U/L CBC WBC 4900 /mm 3 Neu 67 % Eo 17 % Baso 0 % Lymph 1

1治療 かっていたか, 予想される基礎値よりも 1.5 倍以上の増加があった場合,3 尿量が 6 時間にわたって 0.5 ml/kg 体重 / 時未満に減少した場合のいずれかを満たすと,AKI と診断される. KDIGO 分類の重症度分類は,と類似し 3 ステージに分けられている ( 1). ステー

日本呼吸器学会雑誌第47巻第6号

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第1 総 括 的 事 項

第 55 回神奈川腎炎研究会 アルポート症候群の一家系 1 石田典子 1 遠藤正之 1 田中寿絵 1 深川雅史 呉新村文男 1 瓊 2 症例症例 1 S.M.:8 歳, 男児 ( 腎生検時 6 歳 ) 現病歴 :5 歳時の検尿で尿潜血を指摘され, 半年後に蛋白尿も指摘されため精査目的に入院 家族歴

第 59 回神奈川腎炎研究会 ブシラミン内服開始後に発症した半月体形成を伴う膜性腎症の一例 眞部俊伴野麻悠子大島康子波多野道康 症 例 考 察 症例 :76 歳女性 主訴 : 浮腫 既往歴 :25 歳時 : 妊娠高血圧症候群 家族歴 : 兄 : 関節リウマチ 生活歴 : 喫煙歴なし, 飲酒歴ほぼなし

37, 9-14, 2017 : cefcapene piperacillin 3 CT Clostridium difficile CD vancomycin CD 7 Clostridium difficile CD CD associate

第 63 回神奈川腎炎研究会 Laboratory findings on admission㻌 1 Urinalysis Specific Gravity ph Occult blood Protein Glucose (2+) (3+) (1+) 各種検査 Protein C

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腎炎症例研究 25 巻 2009 年 自己免疫性膵炎に合併した IgG4 関連腎炎の 1 例 藤 井朋子 梅園朋也 呉 瓊 宮 内雅晃 山本直之 豊田雅夫 鈴 木大輔 谷亀光則 遠藤正之 症例症例 :59 歳女性主訴 : 下腿皮疹 1989 年より橋本病にて近医通院 2004 年黄疸, 肝障害を発見

2

第 15 回学術部一泊合同研修会 症例検討 臨床化学 事例 1 28 歳 男性 項目 TP ALB CRE UN AST ALT ALP LDH CK 初検 ( 再測定前 ) 測定値 項目 測定値 7.6 CKMB TC Na K Cl 1

腎炎症例研究 26 巻 2010 年 着を一部に認める 糸球体病変はメサンギウ ム細胞 基質の軽度増加を認めた 毛細管係 蹄の変化を認めず 尿細管炎を認め 間質は 混合性の細胞浸潤があり 一部に線維化を伴 う 2 回目 最終発作から 6 ヶ月後 24 個中 14 個で糸球体硬化像を認めた 硬化 を伴

目次 1. 目的 2 2. 人工透析患者の年齢等の分析 3 性別 被保険者 被扶養者 3. 人工透析患者の傷病等の分析 8 腎臓病 併存傷病 平成 23 年度新規導入患者 4. 人工透析 健診結果 医療費の地域分析 13 二次医療圏別 1

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

亜急性 慢性の区別はあいまいであるが 疾患の期間がわかると鑑別疾患を狭めることができる 臨床経過に関するチェック ( 問診 ) 項目 過去の腎疾患 関連疾患の既往はないか 学校検尿での異常は 保健加入時の尿所見の異常は 職場検診での尿所見の異常は 妊娠 出産時の尿所見の異常は 扁桃炎の既往は ( 急

2178 網 第1表 岡 臨 床 経 過 日数 と組 織 診 断 との関 係 忠 戸 川 淳 志 体,尿 細 管,間 質,中 小動 脈,細 小 動 脈 に分 け,そ れ ぞ れ の障 害 度 を更 に0,1,2,3 の4つ に分 けて 血圧,腎 血 漿流 量,糸 球 体 濾 過値,フ エ ノ ール

STEP 1 検査値を使いこなすために 臨床検査の基礎知識 検査の目的は大きく 2 つ 基準範囲とは 95% ( 図 1) 図 1 基準範囲の考え方 2

高脂血症の検査

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第 Ⅰ 部 総論 11 第 Ⅰ 部 総論

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

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知っておきたい関節リウマチの検査 : 中央検査部医師松村洋子 そもそも 膠原病って何? 本来であれば自分を守ってくれるはずの免疫が 自分自身を攻撃するようになり 体のあちこちに炎 症を引き起こす病気の総称です 全身のあらゆる臓器に存在する血管や結合組織 ( 結合組織 : 体内の組織と組織 器官と器官

109 非定型溶血性尿毒症症候群

第 66 回神奈川腎炎研究会 検査所見 < 尿定性 > 尿蛋白尿糖尿潜血 < 尿沈渣 > 赤血球白血球扁平上皮硝子円柱上皮円柱顆粒円柱卵円形脂肪体 (4+) (±) (3+) 多数 多数 (1+) /HPF /HPF /HPF /HPF /HPF /HPF

TTP 治療ガイド ( 第二版 ) 作成厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究班 ( 主任研究者村田満 ) 血栓性血小板減少性紫斑病 (thrombotic thrombocytopenic purpura:ttp) は 緊急に治療を必要とする致死的疾患である

デスフルラン

腎炎症例研究 32 巻 2016 年 肉眼的血尿が出現し急速に腎障害が進行した糖尿病性腎症の一例 1 阿部哲也 1 高橋遼 1 竹内和博 1 村野順也 1 竹内康雄 1 青山東五 1 島田芳隆 1 鎌田真理子 1 内藤正吉 1 関本恵子 1 正木貴教小川みゆき 1 佐野 1 隆 2 病理コメンテータ

BUN, CRP K mg/ cm, 49.6 kg, BMI /72 mmhg, 92/ Hb 6.7 g/dl PT-INR CT 1 MRI 2a, b T1 T2 T1 MRI

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能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL

検査項目情報 クリオグロブリン Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 免疫学的検査 >> 5A. 免疫グロブリン >> 5A160. クリオグロブリン Ver.4 cryo

表 1 入院時検査所見 11,500L 471 L 17.0 gdl.3 L ph 7.49 PaCO 37.8 mmhg PaO 67.4 mmhg HCO 3.6 meql B E 1. meql 141 meql K 3.9 meql Cl 108 meql Ca 8.4 mgdl P 4.5

行対象症例の選択方針が内外で異なるためと考えられており ヨーロッパ諸国の中でも腎生検を比較的活 発に行っている地域では本症の発現頻度が高いこととともに 無症候性蛋白尿 血尿の比率が高くなってい る 5. 合併症 高血圧 ネフローゼ症候群を呈する場合は脂質異常症 慢性腎不全に進行した場合は 腎性貧血

第 59 回神奈川腎炎研究会 入院時検査所見 尿一般 比重 PH 蛋白 蛋白定量 潜血 糖 赤血球 白血球 円柱 BJP 尿生化学 Osmo Cr Na K NAG FENa FEUN 凝固系 PT-INR APTT FIB g /g Cr - - <1/HPF 1

1) Urlne analysls 7)Serologlcal exam. 1 1)ECG W.N.L. sugar 0% CRP (-) urobillnogen N(+) RA (+) 12)Renal function albumin 3(+) ASLO (-) PSP test 15' 40

第 14 回血管病理研究会 日時 : 平成 20 年 10 月 10 日 ( 土 ) 会場 : 佐賀大学医学部臨床大講堂 3208 号室会長 : 徳永藏 ( 佐賀大学医学部病因病態科学講座 ) CRP MPO-ANCA 125IU/l CT mpa

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第 39 回神奈川腎炎研究会 膜性増殖性糸球体腎炎に糸球体および細動脈 内皮細胞障害を伴った一例 牧 橋 守 小 野 本 屋 林 武 志1 ヒロコ 1 利 佳1 豊1 和 岸 坂 重 達 彦1 由美子 1 本 尚 登1 松 秀 一2 田 羽 長 鎌 村 場 田 素 貢 子1 泰1 壽1 血圧は 160 170/80 90mmHg にコントロー はじめに ルされていた 翌年には尿蛋白 4 5g/ 日と増 初回腎生検にて膜性増殖性糸球体腎炎と診断 加しネフローゼ症候群を呈したためステロイ し ステロイド療法により寛解状態にあった患 ド治療を開始した PSL30mg/ 日 以後外来通 者が腎機能障害を伴うネフローゼ症候群を再発 院にて経過観察を行ない 蛋白尿は徐々に減少 したために再度腎生検を行った 初回生検像で したため ステロイド剤を漸減していった 68 軽度にみられた糸球体内皮細胞障害がさらに高 歳時には蛋白尿は 1 2g/ 日 69 歳時には蛋白 度に認められた 膜性増殖性糸球体腎炎では一 尿は 1g/ 日以下となり PSL も 5mg/ 日まで漸減 般に著明な内皮細胞障害を来すことはなく そ した この頃 変形性股関節症に対して整形外 の成因について若干の検討を行った 科に入院し手術を行った しかし退院後 蛋 症 白尿は急増し 4g/ 日以上となり Ccr 40ml/min 例 症 例 70 歳女性 職業 主婦 主 訴 蛋白尿 浮腫 と低下 浮腫も著明となったため再度腎生検を 行った 2 回目 入 院 時 現 症 身 体 所 見 身 長 149cm 体 既往歴 4 回の妊娠 1 回自然分娩 1 回帝王 重 61kg 通 常 52kg 体 温 37.5 血 圧 切開 2 回流産 高血圧症 50 歳頃 下肢 162/80mmHg 脈拍 80/ 分, 整 意識清明 言語 静脈瘤 60 歳時 stripping 施行 変形性股関節 正常 皮膚 乾燥や紫斑はない リンパ節腫脹 症 69 歳時人工関節置換術施行 なし 眼結膜充血や貧血は認めず 甲状腺腫大 家族歴 特記すべきことなし なし 項部硬直なし 胸部 心雑音なし 肺音 嗜好歴 飲酒 喫煙ともになし 清明 腹部 平坦 軟 両下肢に浮腫著明 現病歴 50 歳頃から高血圧にて降圧剤を服 入院時検査所見 入院時検査所見を表 1 表 2 に示す 用していた 60 歳時には血圧 130 140/70 80mmHg と良好であり 尿所見正常 腎機能正 尿所見は蛋白 3+ 潜血 1+ 硝子 顆 常であった 62 歳時に血圧上昇 蛋白尿陽性 粒 上皮円柱を多数認める 尿蛋白定量では となり その後尿潜血も出現し持続した 65 4.25g/ 日であった 血算では RBC 252 104 / μ 歳時には尿蛋白 3g/ 日以上となったため腎生 l, Hb 7.9 g/dl, Ht 23.3 と高度の正球性正色素 検を行った 1 回目 この時の血圧は 160 性貧血を示していた 凝固系は特記すべき異常 200/60 80mmHg Ccr 74ml/min であった 以 を認めなかった 生化学では TP 5.0 g/dl, Alb 2.9 後食事療法および降圧剤処方を行い 外来での g/dl と低蛋白血症を呈していた LDH 722 IU/l 1 Key Word 血管内皮細胞障害 高血圧 膜性増殖性糸球体腎 北里大学腎臓内科 2 信州大学第一病理学 1 炎

腎炎症例研究 20 巻 2004 年 表1 尿一般 沈渣 比重 ph 蛋白 血算 生化学 1.015 WBC 10100 / μ l 5.0 RBC 252 104 / μ l 3+ Hb 糖 潜血 1+ RBC WBC 1-3/HPF 3-5/HPF 硝子円柱 + 顆粒円柱 + 上皮円柱 + B-J 蛋白 入院時検査所見 5.0 g/dl Alb 2.9 g/dl 7.9 g/dl T.Bil 0.3 mg/dl Ht 23.3 GOT 18 IU/l Plt 16.3 104 / μ l GPT 21.6 0.7 % Reti. FRA% ESR 凝固系 TP PT APTT 9 IU/l LDH T-cho 722 IU/l 281 mg/dl 28 mm/h UN Cr 34 mg/dl 1.44 mg/dl 10.1/10.7sec. 35.7/37.6sec. UA Na 5.8 mg/dl 143 meq/l NAG 14.3 U/L Fib 338.3 mg/dl K 4.3 meq/l 蛋白定量 4.25 g/ 日 FDP 4.13 μ g/ml Cl 114 meq/l D-DMR 6.17 μ g/ml Ca 7.6 mg/dl IP 3.9 mg/dl 表2 免疫 CRP 入院時検査所見 <30 μ g/dl 内分泌 ADRN 16pg/ml IgG IgA 601 mg/dl 327 mg/dl NORA PRA 515pg/ml 1.4ng/ml/H IgM 66 mg/dl ALDOST C3 84 mg/dl CORT C4 CH50 Haptoglobin その他 Cryoglobulin ANA CIC <40 5.8 μ g/ml 18pg/ml 抗 DNA 抗体 <2 IU/ml 6.5 μ g/dl MPO-ANCA <10EU 23 mg/dl 43 U/ml PR3-ANCA 抗 GBM 抗体 <10EU <10EU 16 mg/dl 抗 CL 抗体 5.3U/ml 抗 CL- β 2GPI 抗体 <1.3U/ml Lupus AC 正常 と高値を示し T-cho 281 mg/dl と上昇していた 腎 臓 超 音 波 右 腎 119 42mm 左 腎 110 腎機能は UN 34 mg/dl, Cr 1.44 mg/dl と中等度の 48mm 皮質輝度は若干亢進 結石 腫瘍等 障害を認めた 電解質には特記すべき異常を認 なし めなかった 免疫では IgG 601 mg/dl, ハプトグ 心 臓 超 音 波 AoD 30mm, LAD 52mm, LVDd/s ロビン 16 mg/dl と低値を示していた 補体は正 60/37mm, IVSth 10mm, PWth 11mm, EF 60% 常範囲内であった 内分泌系は特記すべき異常 LV wall motion は正常 MR 2 度 AR 2 3 度 は認めず その他各種抗体は異常を認めなかっ 左房拡大あり IVC 正常 心嚢液貯留 少量 た 眼科 高血圧性眼底 K-W 2 度 Scheie H2S2 生理検査所見 臨床経過 心電図 HR 78/ 分 整 軸 正軸 移行帯 V4-5 ST-T 変化なし 1 回目の腎生検から 2 回目腎生検入院までの 経過を図 1 に示す 胸 部 X-p CTR 59% C-P angle sharp 肺 野 異 常陰影なし 2

第 39 回神奈川腎炎研究会 図 血圧と蛋白尿の推移 1 1 回目生検 250 光顕 図 2 にて糸球体 48 個中 8 個に全節性 200 第1回 腎生検 整外手術 第2回 腎生検 PSL 血圧(torr) 30mg 20mg 硬化病変が認められた メサンギウム細胞の増 殖および基質の増加を認め 分葉化構造が明ら かである PAM 染色 図 3 では二重化構造 15mg 10mg 7.5mg 5mg 150 100 50 および内皮下腔の拡大が著明である 拡大した.2.4.9 H14 H13.6.1.8.11 H13 H12 H12 H12 H11 1 H4. 管では内膜の腫張が著明であり高度の内腔狭小 H10 図 4 細動脈硬化の所見とともに 一部の血.12 0 部分に単球系細胞の侵入を認める 血管病変は 図 1 血圧と蛋白尿の推移 化を認める 蛍光抗体法 図 5 では IgG がフリンジパター ンで局在しており C3 C1q IgM も同様の局在 を示していた 電顕 図 6 では内皮下腔の拡大が著明で内 皮下およびメサンギウム領域に沈着物を認め る 単球系細胞の侵入を認める 2 2 回目生検 光顕 図 7 にて糸球体 48 個中 30 個に全節 性硬化病変が認められた 1 回目の生検と比較 し全体的にメサンギウム細胞の増殖および分葉 化構造が著明であり 一部 係蹄構造が失われ ている部分を認める また細動脈の内膜肥厚が 著明である 間質の細胞浸潤は 1 回目に比べ高 図 2 第 1 回目腎生検 HE 染色 度であった PAM 染色 図 8 では内皮下腔 の拡大が著しく この拡大した部分に多数の単 球系細胞が侵入していた また細動脈 図 9 には内膜の著明な拡大を認める 蛍 光 抗 体 法 図 10 で は IgG が フ リ ン ジ パターンで局在していた これを拡大すると 図 11 IgG が線状様に局在して見える C3 C1q IgM も同様の局在を示していた 電顕 図 12 では内皮細胞の腫大と内皮下 腔の浮腫性膨化が著明であった 内皮下には単 球系細胞の侵入を認めた 一部 メサンギウム 細胞の間入像を認めた 別の糸球体 図 13 では内皮下の浮腫性膨化が明らかであった 図 3 第 1 回目腎生検 PAM 染色 3 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 蛋白尿(g/日) 組織所見

腎炎症例研究 20 巻 2004 年 図 4 第 1 回目腎生検 HE 染色 図 5 第 1 回目腎生検 図6 図7 蛍光抗体法 IgG 第 1 回目腎生検 電顕 4 第 2 回目腎生検 HE 染色 図8 第 2 回目腎生検 PAM 染色 図9 第 2 回目腎生検 PAM 染色

第 39 回神奈川腎炎研究会 図 10 第 2 回目腎生検 蛍光抗体法 IgG 図 13 第 2 回目腎生検 考 電顕 案 本例は長期間にわたる中等度の高血圧症に膜 性増殖性糸球体腎炎が併存した症例である 第 一回および第二回の腎生検で 通常の膜性増殖 性糸球体腎炎では確認できない細動脈ならびに 糸球体の高度の内皮細胞障害が認められた 血管内皮細胞の役割として①血漿成分の選択 的透過性 ②血栓の形成あるいは抗血栓性 ③ 血管の収縮及び弛緩の調節 ④血管内皮由来 の因子やサイトカインの産生 ⑤その他が挙 図 11 第 2 回目腎生検 げられる 蛍光抗体法 IgG 血管内皮細胞が何らかの障害を 受け機能不全を起こすことで これらの内皮 細胞が本来の働きを失い 種々の異常を呈し てくるようになる 内皮細胞障害を起こす因子 としては白血球 血小板 自己抗体 抗内皮細 胞抗体 抗好中球細胞質抗体 抗 GBM 抗体 CIC 細菌毒素 verotoxin そして血行力学的 因子等が挙げられ これら因子による血管内 皮細胞障害が血管内微小循環障害を引き起こす 血管内皮細胞障害 表 3 は悪性高血圧症 HUS/TTP APLS DIC 妊娠中毒症 移植腎 免 疫抑制剤による薬剤毒性因子および拒絶反応 図 12 第 2 回目腎生検 SLE など様々な病態においてみられる 電顕 HUS/TTP とは微小血管内皮細胞の障害によ り破砕赤血球を伴う溶血性貧血 血小板減少症 急激な腎機能障害 精神神経症状を呈する血 栓 性 微 小 血 管 症 thrombotic microangiopathy 5

TMA O-157 LDH HUS/TTP HUS/TTP DIC DIC DIC SLE APLS SLE DNA wire loop lesion tubuloreticular inclusions APLS 1 表 血管内皮細胞障害を来す疾患 悪性腎硬化症 HUS/TTP APLS DIC 妊娠中毒症 移植腎 膠原病関連腎症 (SLE 強皮症 ) 代謝性疾患 ( 糖尿病 高脂血症 ) 6

第 39 回神奈川腎炎研究会 木村 血圧を下げたときに それが上がってく 参考文献 るとか そういうことはなかったのですか 謙輔 微小循環病変と内皮細胞. 腎と透 析 Vol.52 5 : 599-606, 2002 2) 有村義宏 糸球体内皮細胞障害機序. 腎と透 牧野 析 Vol.52 5 : 607-612, 2002 3)Katafuchi R, et al Morphometrical and functional 牧野 詳しい数字はわかりませんが その推移 1) 城 血圧の治療をしたときの血小板数です か 木村 ええ そうです は覚えていません correlations in Benign nephrosclerosis. Clin 木村 Nephrol 28 5 : 238-243, 1987 のような thrombotic microangiopathy が考えられ もし 高血圧性の血管障害 HUS/TTP 4) 江田幸政 富田公夫 糸球体内皮細胞の腫 るのだったら そういうものがなかったかと 大 増生 剥離の病態. 腎と透析 Vol.52 5 : 613-618, 2002 思ったのですが あとは血液の塗抹標本で破砕 赤血球や 赤血球の大小不同などなかったです 5)Roberts JM, et al Preeclampsia:An endothe- か lial cell disorder. Am J Obstet Gynecol 161: 牧野 1200-1204, 1989 測りましたが ほぼ 1 以下で明らかな異常は 6)Kincaid-Smith P, et al Disseminated intravascular 破砕赤血球は来院時が 0.7 で 何回か 認めませんでした coagulation and the kidney. Haemostasis and the 木村 そうですか どうもありがとうございま kidney.remuzzi G, Rossi EC, pp191-198, 1989 した 討 乳原 乳原 ちょうど発表のところで 腎機能のわり 論 には異様に貧血が強いということですね ヘマ どうもありがとうございました ただい トクリットが 21% か 22% でした ハプトグロ まの発表に対して まず臨床の立場からのディ ビンが低いことから いま木村先生にご指摘を スカッションをお願いします いただいたように HUS 的な要素が加わってい 木村 たのではないかと 私も思うわけですけれども 聖マリアンナ医科大学の木村ですが ど うもありがとうございます 見逃したかもし 牧野 はい れないのですが 血小板の数はどうだったので 乳原 その他 よろしいでしょうか それでは しょうか はい 3 人 誰から 牧野 血小板の数は正常です 森田 木村 まったく異常なかったですね 点質問をさせていただきます 第 1 点目は 血 牧野 はい そうです 管の病変から見て 第 1 回目の生検と第 2 回目 木村 最初は LDH が高いとおっしゃっていま の生検はどのように違うと考えられたのでしょ 藤が丘病院の森田と申しますが 私は 2 したが その推移はどうでしたか うか 牧野 牧野 先ほど電顕では示したのですが 内皮下 LDH は 単 位 で い う と IU/L で す が 500 700IU/L で軽度上昇を示していました ですね 内皮下腔の拡大が 1 回目もありました 木村 1 回目から 2 回目もずっと高い状況でし が 2 回目はより著明になっており また単核 たか 球系の細胞の侵入が著明に増加しています 牧野 森田 2 回目が著明で 測ったところは ほぼ正常の上限からや や異常値に向けて 血小板は入院時ですが 16 牧野 はい 万ぐらいありまして 特に極度に下がったとき 森田 光顕レベルで見た内膜の狭窄 浮腫性変 はありませんでした 化 肥厚は 1 回目と 2 回目でどうだったのでしょ 7

2 2 20 20 2 1 2 Keith-Wagener 2 1 2 1 2 1 1 1 2 2 2 2 2 1 170 180mmHg 200mmHg post infectious inflection 2 40mg 16 30 40mg/dl 8

malignant hypertension nephrosclerosis 2 thrombotic microangipathy 70 LDL 280 290mg/dl 200mg/dl 2 1 MPGN % C MPGN 10 178 MPGN 4 16 19 11 MPGN HUS MPGN 10 MPGN 02 2 1 MPGN atrophy 9

03 MPGN 04 foam cell 05 Masson IgA deposit deposit foam cell pinkish 06 PAM layering fibrinoid necrosis mesangiolysis farm cell mesangialmatrix 07 2 double contour MPGN thrombotic angiopathy 08 1 thrombotic microangiopathy macrophage B1 09 2 biopsy thrombotic microangiopathy 1 10 PAM mesangiolysis 10

第 39 回神奈川腎炎研究会 スライド 11 そして Masson で見ると赤い 73 分の 22 で 30 2 回目の生検で 78 分の 53 と deposit 染み込みの部分が面積を増やしていま いうことで 7 割近くの糸球体がつぶれている す このような急性変化が 旧い変化の上に相 ということで 何か腎機能障害がどんどん進展 乗りしているのかと思います していることが明らかだろうと思います スライド 12 これもそうですね 血管にも スライド 重松先生に本当に具体的に きれ こういう染み込み現象たくさんの新しい滲出物 いにご説明いただいたので 私が言うことは が染み込んで 血管腔が本当に細くなっていま あまりありませんが 1 つはいろいろな高血圧 す ここではほとんど基質に置き換わっていま 性の腎障害のタイプです 先ほどのように細 す 動脈の hyalinosis が非常に強く出て 糸球体に スライド 01 この 1 枚も演者が出しましたけ segmental な hyalinosis を つ く っ て く る タ イ プ れども ここに血管腔があって 症例に出し ですから 糸球体までで そのまわりの尿細管 たのは係蹄の壁の内皮下浮腫でしたが それが は比較的にこのようにプリザーブされている ずっと全周性になって メサンギウムまでずっ 悪性高血圧になりますと 逆にこちらがや と広がって mesangiolysis という状態になって られてきます ひどい例では尿細管がやられ います ところが この辺にあるメサンギウム てきて 糸球体に非常に象徴的に この症例で 細胞には非常に粗面小胞体 ER が増えて幼若 は比較的糸球体細動脈に集約したような形で病 化現象 α -smooth muscle actin 陽性の transfor- 変が出ている もちろん ある程度このような mation を起こしています 要するに HUS でも 尿細管間質病変はありますが つぶれた糸球体 急性期にはメサンギウム細胞が幼若化して 組 がだいたいベースになっている場合が多いわけ 織の上での先祖返りを見せる そういう像が出 です ただ 2 回目は尿細管間質病変が明らか ています に進展していることは間違いないように思いま この症例は持続する高血圧などが観察されて す それから MPGN そのものは非常に hyper おりますが そういうことがあって 悪性高血 cellar な糸球体病変を形成しています 圧とは言わないまでも 細動脈への血管障害が スライド ずいぶん弱拡で撮りましたが そ あり それに加えて糸球体には MPGN のⅠ型 ういう hyalinosis が糖尿病などで見るような Fi- があって それがネフローゼを起こしている brin cap 様の非常に大きな こういう形で hya- 結局 2 つの病変が重なって出ているという linosis が強調されて出てくることも この症例 まとめ方をしました 以上です の特徴のような印象を持っております 普通は 乳原 いまのはⅡ型 Ⅰ型です はい segmental な collapse に 基 づ い て sclerotic に 変 山口 重松先生とほとんど同じ意見で この年 化していくことが多いわけですが この方の場 齢で MPGN のタイプⅠ 低補体血症を呈さず 合はどちらかというと先ほどのように血管極部 に 稀にそういうことはあるのかと 最近はご 近いところで 何か hyalinosis が Fibrin cap 様に 老人といいますか 70 歳 80 歳でも 臨床の 出てくる 最初の生検では数個でしたが 2 回 先生たちが生検をしますと どうも一筋縄では 目ではこの頻度が非常に増えています いかない腎生検の材料がここのところずいぶん スライド 弱拡で同じようなところを撮って 増えているように思います いろいろなものが いますが 先ほどと同じで こういう vascular オーバーラップしてくるということで いまま pole に近いところから segment が完全に侵され であまり経験がないような 3 つも 4 つも腎炎 て cellular な hyalinosis になってしまって と が重なってくるような印象ですが 1 回目と 2 ころどころ癒着病変もつくっているわけです 回目で糸球体のつぶれた数を数えると 最初が おもしろいのは 尿細管系が意外とこういうと 11

mesangiomatrix small nodule MPGN capillary vascular pole globular hyalinosis segmental hyalinosis 2 segmental hyalinosis obesity MPGN 2 reversibility MPGN extortive MPGN activity reactivation collapse hyalinosis PAS MPGN extortive segment hyalinosis MPGN activity 2 extension segment Fibrin cap thrombosis thrombosis thrombotic microangiopathy hyalinosis recanalization thrombotic microangiopathy thrombosis thrombosis HLSA WHO thrombotic microangiopathy Thrombosis thrombotic microangiopathy 12

thrombosis thrombosis 1 arteriole 1 HUS like MPGN C3 Circum ferential mesangial interposition CMI double control PAM 2 MPGN MPGN MPGN diffuse global CMI mesangial cell CMI 1 2 MPGN 1 mesangial interposition mesangial interposition 2 MPGN HUS like 1 1 mesangial interposition para-mesangial sub end dense deposit MPGN MPGN HUS MPGN double control 13

MPGN mesangial interposition MPGN 1 thrombotic microangiopathy 1 HUS APS 2 200mmHg 160 180mmHg 1 HUS 160 180mmHg malignant hypertension 1 hemodynamics autonomic discrepancy 140mmHg 150mmHg hemodynamics 14

第 39 回神奈川腎炎研究会 重松先生 _01 重松先生 _06 重松先生 _11 重松先生 _02 重松先生 _07 重松先生 _12 重松先生 _03 重松先生 _08 山口先生 _01 重松先生 _04 重松先生 _09 山口先生 _02 重松先生 _05 重松先生 _10 山口先生 _03 15

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