本の論 N Engl J Med 2018; 378:

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きみえかむら
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2 本の論 N Engl J Med 2018; 378:

3 Introduction 3

4 蘇輸液の主役である晶質液 1832 年 Thomas Aitchison Latta コレラ流中に NaCl 0.5% と NaHCO3 0.2% を含む輸液製剤を経静脈投与 1883 年 Sydney Ringer 世界で初めて NaCl の他に Ca K を配合した輸液製剤リンゲル液を開発 1932 年 Alexis Frank Hartmann 児の胃腸炎にリンゲル液に乳酸を添加した乳酸リンゲル液を投与 4

5 晶質液の種類と組成成分 (meq/l) 漿 Na %Na Cl 乳酸リンゲル酢酸リンゲル重炭酸リンゲル Plasma- Lyte A K Ca Mg Cl 乳酸酢酸その他重炭酸 28 クエン酸 4 グルコン酸 23mmol/L 5

6 本邦での晶質液の薬価 179 円 200 円 130 円 224 円 6

7 本邦での各晶質液の選択 7

8 理塩の有害性理塩はClを多く含むことによりアシドーシス Shock May;9(5):364-8 炎症 Chest Oct;130(4):962-7 腎管収縮 J Clin Invest 983 Mar;71(3): AKI Crit Care Med Apr;42(4):e270-8 死亡 Crit Care Med Feb;30(2):300-5 を増加させる可能性がこれまで唆されてきた 8

9 Cl の腎臓への影響緻密斑 :Cl 濃度増加輸細動脈収縮球体濾過量減少体反応を逸脱した理塩による Cl 負荷は腎機能障害の要因となる可能性がある 9

10 Clinical Question 重症患者において balanced crystaloid と理塩のどちらを投与するのが良いか? 10

11 これまでの流れ健常な成における重盲検化試験で 2Lの投与は Plasma-Lyteよりも腎流量腎質灌流量を低下させることがされた Ann Surg Jul;256(1):18-24 盲検的な前向き研究では Cl を多く含むや 4% アルブミンの代わりに Cl の少ないハルトマン液や Plasma-Lyte をいると AKI 腎代替療法の導が減少していた JAMA. 2012;308(15): 重症患者周術期患者におけるメタアナリシスにおいて投与は Cl の少ない晶質液より AKI Cl 性代謝性アシドーシス輸量呼吸器使時間を増加させる傾向があることが唆された Br J Surg Jan;102(1):

12 これまでの流れ SPLIT trial (2015); Saline vs PL-148 for ICU fluid Therapy 12

13 SPLIT trial(2015) P I C O ICUに室し晶質液輸液を要した全患者理塩 PL-148( 緩衝晶質液 ) 急性腎障害 (Cr がベースの 2 倍以上 or Cr 4.0) Results AKI 発率 RRT 施率 Cre 上昇 ICU 滞在数院内滞在数呼吸器使率使期間院内死亡率において両群で有意な差を認めなかった死亡率に関しては 1% の absolute difference を認めた 13

14 患者背景 60 歳以上, 2/3 が男性術後患者が 7 割と多くその中でも予定術患者が約半数を占めていた外患者が 5 割以上と多い ER/ 般床からの室は 1 割程度 APACHEⅡ は 14 点と較的軽症だった 14

15 ICU 室後の輸液量 ICU 在室中の輸液量の平均は 2L 15

16 SPLIT trial の問題点サンプルサイズ計算が事前にされていなかった (n=3346) 2/3 もの臨床医は試薬の内容が分かってしまったため代謝性アシドーシスを軽減するように治療がわれた可能性がある 90% 以上の患者に割り当て前に既に補液が投与されその補液の多数は晶質液であった ICU 在室中の輸液量の平均が 2L と少ない対象患者の重症度がそれほどくない (APACHE II score の中央値 14) ほとんどが術後患者であった 16

17 結局理塩は有害なのか? 17

18 本の論 (SMART) Isotonic Solution and Major Adverse Renal Events Trial N Engl J Med 2018; 378:

19 PICO P I C O 18 歳以上のICUに室した全ての患者理塩 PL-148または乳酸リンゲル液 ( 緩衝晶質液 ) 30 以内のMajor Adverse Kidney Event 19

20 Method 20

21 Design 研究スタイル : Vanderbilt University Medical Center の 5 つの ICU 盲検クラスターランダム化 ( 施設ごとにランダム化 ) Multiple-crossover( 定の休息期間をおいてれ替える ) 割り当て前に計画について公開した (Trials 2017;18:129) 期間 : 2015 年年

22 各 ICU の特徴 Medical ICU - 34 床呼吸器集中治療医が内科疾患の重症患者を管理 Neuro ICU - 22 床脳卒中をはじめとした神経内科脳外科疾患を管理 Cardiac ICU 27 床 MI 不全外術後 ECMO/VAD などを管理 Trauma ICU 31 床 Level 1 trauma center であるため重症外傷患者を管理 Surgical ICU 22 床術後 ICU 研究前の 1 年間では全 ICU の晶質液使のうち 68.9% が 31.1% が balanced Crystalloid を使 22

23 Population 18 歳以上の期間中に ICU に室した 15,802 の全患者退院後に再院した場合も含みこれについては sensitivity analysis で分析した ER から般床に院した患者については別の SALT-ED trial で分析した 23

24 Randomization 各々の ICU は奇数偶数でどちらを使するかランダムに割り付けた術室 ER でも貫性を持たせるため多数を ER から室させる 3 つの ICU 同様に術室からが多い 2 つの ICU は緒にランダム化した 24

25 Randomization S 理塩 B Balanced Crystalloids 25

26 Treatment Saline:0.9% 理塩緩衝晶質液 : 乳酸リンゲルまたは Plasma-LyteA 漿 Plasma-Lyte A 乳酸リンゲル Na K Ca Mg Cl 乳酸酢酸その他 27 グルコン酸 23mmol/L 26

27 Treatment ER 術室と連携し ICU への室することになったり院中に術を受ける場合も割り当て通りに晶質液を使した K 症脳外傷の場合は緩衝晶質液は使しにくいのでその場合は臨床医の判断でを投与したをまたいだ場合にはリンゲル液の両者が投与されることになるがこれについては prespecified sensitivity analysis で分析した 27

28 Outcomes Primary outcome: 30 以内の Major adverse kidney event 死亡新規の腎代替療法腎機能障害の残存 ( ベースの Cre の 2 倍以上 ) 追跡は退院または 30 の時点で終了した割り付けを知らない研究者がカルテレビューにて新規の腎代替療法の開始および導の適応を確認 28

29 Outcomes Secondary outcome: ICU 退室前時点での院内死亡率 ICU 退室までの数管収縮薬が切れるまでの数割り付けから28 間 RRTを使しない率残存する腎機能障害 Stage2 以上のAKI(KDIGO) 院中のクレアチニンの最値退院前の最終クレアチニン 29

30 Statistical Analysis 先研究から群でのPrimary outcome 発率を22% と予測 Crit Care 2013; 17: R25. さらに先研究よりbalanced crystalloidsの使により 12% のrelative differenceを検出できると予測し研究期間 60 unit-months のべ8000 の患者が必要と算出 JAMA 2015; 314: Am J Respir Crit Care Med 2017; 195: しかし研究開始前 1 年間での群でのPrimary outcome 発率が15% であったため再度サンプルサイズを計算 Power 90% type Ⅰ error 0.05として relative difference 12%(absolute difference 1.9%) を検出するためのサンプルサイズをのべ82 unit-months の患者が必要と算出 30

31 Statistical Analysis 解析は intention-to-treat fashion で施 Primary outcome は generalized, linear, mixed-effects model をいて解析 Fixed effect として割付グループ年齢性別種院ソース呼吸器管理管作動薬敗症 TBI random effect として室した ICU Respecified secondary analysis はまず各群を較し次に ICU のタイプ 30 を通して投与された総量など 2nd outcome についてサブグループ解析をった次にベースの Cre といった missing data に対する感度分析をったその後に cross-over 解析などをったその他群間差は Mann- Whitney rank-sum test で連続変数をカテゴリー変数に関しては χ 乗検定をいてった中間解析より P<0.048 が統計的に優位であることとした R ver をいて解析 31

32 Results 32

33 全部で15802 名を解析 S: 7860 名 33 B: 7942 名

34 34

35 年齢の中央値は 58 歳 57.6% が男性 1/3 が呼吸器を 1/4 が管収縮薬を使各項に両群間の有意差はなし 35

36 ベースラインの電解質特に Cl は両群間で変わりなし 36

37 ICU 室前までの輸液量全患者における ICU 室前の輸液量は両群とも中央値 0mL 37

ICU で投与された晶質液緩衝晶質液では中央値 1000ml (IQR, 0-3210ml ) 群では 1020ml(0-3500ml)

38 ICU で投与された晶質液緩衝晶質液では中央値 1000ml (IQR, ml ) 群では 1020ml(0-3500ml) が追跡期間中の投与量であった緩衝晶質液で 426 (5.4%) 群で 343 (4.4%) がをまたいで 2 種類を投与された膠質液や輸投与薬などに関しては有意差は認めなかった 38

39 室期間中の輸液量 39

40 中の Cl, HCO3 の濃度緩衝晶質液では [Cl] が 110 を超えたのは 24.5%. では 35.6% (P<0.001) HCO3 が 20 以下になったのは緩衝晶質液 35.2% vs 42.1% P<0.001 とのが HCO3 濃度が低かったこれらの差は投与量が多ければ多いほど顕著だった 40

41 Primary outcome Primary outcomeである 30 以内のMajor adverse kidney eventは群 15.4% 緩衝晶質液群 14.3% 有意に群でい (P=0.04)(NNT=94) 41

42 Primary outcome 感度分析 42

43 Primary outcome 感度分析感度分析で primary outcome の有意差が消失したのは院後 72 時間で 500mL 以上の輸液をした患者群割り付けが切り替わる 1 週間以内に院した患者を除外した群実際に割り付けが切り替わった患者を除外した群 1 回の ICU 室に限った群 43

44 Primary outcome のサブグループ解析内科 ICU Neuro ICU 敗症患者 TBI でない患者すでに透析されている患者のサブグループ解析で緩衝晶質液群で primary outcome が有意に良好 44

45 トータルの輸液量が多ければ多いほど Primary outcome の差がきかった 45

46 Secondary outcome Renal replacement therapy free days は緩衝晶質液群で有意に多い 46

47 Secondary outcome その他の secondary outcome は両群間で有意差なし 47

48 Discussion 48

49 Discussion 本研究では緩衝晶質液の使は死亡を含む腎臓の複合アウトカムを1.1% 改善した同時期に同院でった重症患者での SALT-ED trialでも同様の結果効果はさいかもしれないが国のICU 全体で1 年間に500 万以上の患者に晶質液がいられていることを考えればこの結果は無視できないだろう Crit Care Med 2008; 36(10): , e1-9. 特に敗症患者より輸液が必要な患者ではの害がきかったことは注すべきでと較し低張な緩衝晶質液では ICP を上昇させる危険があるのを忘れてはならない49

50 Limitation 単施設研究であることで般性にけるかもしれない治療者は盲検化されておらず死亡やクレアチニンの上昇は客観的だが RRT を始めるタイミングのは treatment bias になる退院時にデータを検閲することは 30 の時点での死亡を過評価し 30 時点での残存する腎機能障害を overestimate している可能性がある乳酸リンゲルと Plasma-Lyte A に関してはどちらを選ぶかは任意でありこの 2 つの差については本研究ではわからない 50

51 Conclusion 51

52 SMART trial ICU における重症患者において Balanced crystalloids は理塩よりも死亡 RRT 使腎機能障害の残存の複合アウトカムを低下させる特に内科系疾患 Sepsis 透析の施歴がある場合投与量が多いほどその影響はきい 52

53 同時に発表された同施設でわれた SALT-ED trial 53

54 SALT-ED trial P I C O ERからICU 以外に室した13,347 の患者理塩 PL-148または乳酸リンゲル液 ( 緩衝晶質液 ) 院期間 54

55 SALT-ED trial 院期間に有意差はなかった ( 中央値 25 ) Secondary outcome である 30 以内の Major kidney events の発率を下げた (Balanced crystaloids で 4.7% で 5.6%, OR;0.82 CI, ) 重症患者においてもより Balanced crystaloid のが有益である可能性がある 55

56 オーストラリア多施設重盲検較試験予定 n=8800 ICU に室し蘇輸液が必要な患者 vs Plasma-Lyte 148 Primary outcome は 90 死亡率 Crit Care Resusc 2017; 19:

57 本研究結果による当院での針単施設盲検 ICU ごとの割り付けなどの問題はあり PLUS study の結果を待つ必要はあるしかし病態理学的な Cl の害の可能性および今回の結果をもって今後量輸液にあえてを選択することはないだろうを使うとすれば頭蓋内圧亢進患者および致死的な K 症がある患者だけと思われる (Balanced Crystalloid が K を上げるというエビデンスはない ) J Crit Care Oct;35:

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 2013/1/29 慈恵 ICU 勉強会高澤百代 Introduction 各種輸液の中には CL が含まれている HYDRATION や蘇生時の多量輸液は高 CL 血症や代謝性アシドーシス腎血管の収縮 GFR の低下尿量低下を招く Crit care med;2011;39(11):2419-2424 2010;14(4)226 Am J physiol.1989;256(1pt2):f152-157

本 の論 N Engl J Med 2018; 378:

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